「保育所における第三者評価」について

保育所における第三者評価
第三者評価とは・・・
社会福祉基礎構造改革の一環として、社会福祉施設においても、第三者評価事業を導入する事となっています。特に保育所においては、政府が掲げる「子育て支援策」の具体的施策として、「保育に関する情報提供強化、第三者評価の推進を行う」として、保育所を選ぶ際の利用者の選択肢を広げていく方針です。
 そもそも、第三者評価とは、事業者の提供するサービスの質を事業者(事業者及び利用者)以外の公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的立場から評価することです。
また、その目的として
(1) 個々の事業者が事業運営における具体的な問題を把握し、サービスの質の向上に結びつけること。
(2) 利用者の適切なサービス選択に資するための情報となることとしています。

次に、第三者評価事業における各機関の役割・要件としては

(1) 認定機関:第三者評価機関の認定及び認定の取り消しや評価調査者研修を行う。営利を目的としない法人で業務を適切に行えるだけの組織、予算を確保できること等を要件とする。
(2) 第三者評価機関:評価決定委員会、評価調査者等で構成され、福祉サービス事業者の評価業務を行う。原則として法人格を有し、国のガイドラインを満たす評価基準や評価事業を適切に行いうる数の評価調査者を有していること等を要件とする。
(3) 評価決定委員会:「社会福祉事業経営者、従事者」、「福祉、医療、法律、経営等の学識経験者」、「福祉サービスの利用者、一般市民」からなる10人程度の合議体で第三者評価機関として最終的な評価の決定等を行う。
(4) 評価調査者:施設長等の組織運営管理業務を5年以上経験している「運営管理委員」及び福祉、医療、保険分野の有資格者又は学識経験者で当該業務を5年以上経験している「専門職委員」各1人以上からなる2人以上のチームで訪問審査等を行う。
としています。出展:厚生労働省 福祉サービスの質に関する検討会による
『「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」について』(平成13年3月23日)

保育所における福祉サービスの第三者評価基準(試案)
厚生労働省では、上記の第三者評価の実現に向けて、保育所の評価基準を策定中です。この基準は、児童福祉施設最低基準のような最低限備えていなければならないとういう性格のものではなく、「よりよいサービス水準」へ誘導するための基準としています。同省では、今年8月に「保育所における福祉サービスの第三者評価基準(試案)」を公表しており、当該試案は、「子どもの援助発達」、「子育て支援」、「地域の住民や関係機関等との連携」、「運営管理」の四つの柱で構成されています。 同省では実際に「試案」を、保育所で試行した上で年度内にも最終的な評価基準を示す予定です。