続・児童福祉法改正へ


前回のFax Newsで、「児童福祉法の一部を改正する法律」が平成13年11月30日に交布されたことをご紹介いたしましたが、今回はその続編です。本号で取上げる改正箇所は、「保育所整備促進のための公有財産の貸付等の推進」及び「保育士資格」についての条文が追加明記されたことです。

1. <保育所整備促進のための公有財産の貸付等の推進>
 待機児童の解消に向けて、民間活力を導入した公設民営方式等により保育所の施設整備を推進することが政府の重点施策として掲げられていますが、当該施策推進の根拠規定を児童福祉法の中に織り込んだものといえます。  尚、公布日をもって施行することとしています。  (下記にて当該追加条文を掲記します。)

(第56条の7第1項)
「保育の実施への需要が増大している市町村においては、公有財産(中略)の貸し付けその他の必要な措置を積極的に講ずることにより、社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した保育所の設置又は運営を促進し、保育の実施に係る供給を効率的かつ計画的に増大させるものとする。」

 上記条文については、「児童福祉法の一部を改正する法律等の公布について」(平成13年11月30日 雇児発第761号)の通知の中で、市町村自らの公有財産として、「学校・公営団地等の公共施設の余裕スペース・公有地等」としています。 また、同通知の中で留意点として、
 ・保育の供給拡大にあたっては、供給増の制約となる不合理な措置等を行わないよう留意の上、設置運営主体の  如何を問わず適正な運営の確保に努めること
 ・貸付先、委託先等の選定に当たっては、保育所が児童福祉を担う重要な機能を有していることに鑑み、手続きの透明性、公正性に配慮すること、としています。

(第56条の7第2項)
「国及び都道府県は、前項の市町村の措置に関し、必要な支援を行うものとする。」

 上記条文については、前掲の通知で、国及び都道府県の支援措置として、地方公共団体が所有する建物を、民間事業者へ貸与する場合の保育所の整備に要する費用に対して国庫補助を行うことができることとし、これについては別途通知を発出するとしています。


2.<保育士資格の法定化>
 地域の子育て支援の中核を担う専門職として保育士の重要性が高まってきていることを背景として、今回の改正の中で、保育士資格に関する条文が新設され、(現状では、児童福祉法施行令第13条で保育士について規定されています)併せて守秘義務、登録・試験に関する規定が整備されました。
 尚、保育士資格に関する部分に公布後2年以内に施行することになっています。

(第18条の4)
「この法律で保育士とは、(中略)登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とするものをいう。」


Q&Aコーナー
 
Q: 特別養護老人ホームの入所者の方が、介護保険の限度額以上のサービスを受けた場合、国保連に請求できず、本人に負担していただく超過額については、どの科目を使うのでしょうか。
   
A: まず、介護保険収入の科目は、会計基準・指導指針どちらを採用していても指導指針にある科目を用いることをお勧めします。その中で「利用者等利用料収入」の「介護福祉施設利用料収入」を使います。また、特別養護老人ホームで、介護保険の対象にならない室料の差額などもこの科目に計上します。