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厚生労働省関係部局長会議資料については、多く方から資料要請のご依頼を頂き誠に有難うございました。ご希望された方には既にお手元に届かれていると思われます。
さて今回にの臨時Fax Newsでは、「社会・援護局資料」、「雇用均等・児童家庭局資料」「老健局資料」、「社会・援護局障害保健福祉部資料」のそれぞれのポイントを掲記致しますので、会員の皆様が資料を読まれる際の参考にして頂けたらと思います。
尚、今回の各関係部局長会議資料は、国の福祉事業における「総論、方向性」を示したもので、昨年度からの経済財政諮問会議、総合規制改革会議等で議論され、閣議決定された内容のうち、厚生労働省所管として施策項目に掲げられたものが明記されたものであります。従って必ずしも職業会計人の方々にとっては、直接的に社会福祉法人等とのコンサルタント業務等に結びつくという観点(ビジネスのヒントになるようなもの)は少ないと言っていいかもしれません。しかし、国の福祉事業に関わる大枠の部分を情報として押さえておくことは福祉業界に携わる際には大変有益なことであり、現在の顧問先との信頼関係の向上になるかと思われます。
また、今回の諸資料のあとに「主管課長会議資料」、「事務担当者会議資料」が3月末までに公表される予定ですが、「事務担当者会議資料」のレベルになると、更に具体的かつ実践的な内容になるものと思われます。こちらの資料は、「資料集9」として発刊し、後日皆様に配布する予定ですのでご活用下さい。
社会・援護局
◆社会福祉法人の在り方の見直し(P.3)
運営費の剰余金の使途については依然として制約が大きいため、以下の点について早急に検討すべきである。(平成15年度中に結論)
・ 本部会計への繰り入れの対象範囲、人件費・修繕費・備品等購入引当金等の上限
・社会福祉事業と公益事業との資金移動や同一の法人が経営する複数の施設・事業間での運営費の繰り入れ。
・ 社会福祉法人が本来の施設に加え、公的補助の対象とならない追加的な施設を整備する場合、それを担保に借り入れをおこなうこと。?
◆社会福祉法人に関するインターネット上の情報公開の促進(P.4)
消費者の選択の幅を拡大するとの観点から、社会福祉法人について株式会社並みの公認会計士等による会計監査等の一層の普及を図るなど、情報公開のための基準の強化を図るべきである。また、社会福祉法人の公益性にかんがみ、収支計算書、事業報告書、監事の意見書等は、インターネット上での公開を促進するべきである。
◆運営適正化委員会の設置について(P.74)
利用者が福祉サービスを適切に利用することができるように、また、利用者からの苦情を適切に解決するために都道府県社会福祉協議会に、第三者機関として運営適正化委員会を設置する。
◆社会福祉施設等に対する整備(P.50)
政府の重点施策である「少子・高齢化への対応」ための施設整備として保育所等の施設の推進を図る。
・介護関連施策等施設整備分 |
912億円 |
・保育所緊急整備分 |
156億円 |
・障害者プラン関連施設整備分 |
49億円 |
・老朽改築等一般整備分 |
129億円 |
雇用均等・児童家庭局
◆新エンゼルプランの着実な推進 (P.8)
政府の子育て支援施策である「新エンゼルプラン」においては、平成12年度の計画スタート以来平成16年度までに段階的に目標を掲げており、着実に計画が推進されている。そのうち、14年度の対13年度比の具体的施策の主なものは下記のとおり。
13年度予算 3153億円 →14年度予算(案)3304億円(151億円増)
※主な具体的施策
保育所の受入れ児童数の拡大 |
13年度
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14年度(案) |
低年齢児の受入の拡大
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61.8万人 |
64.4万人 |
延長保育の推進
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9,000ヶ所 |
10,000ヶ所 |
休日保育の推進 |
200ヶ所 |
450ヶ所 |
地域子育て支援センターの整備 |
2,100ヶ所 |
2,400ヶ所 |
一時保育の推進 |
2,500ヶ所 |
3,500ヶ所 |
放課後児童クラブの推進 |
10,000ヶ所 |
10,800ヶ所 |
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◆保育所待機児童ゼロ作戦の推進(P.9)
新エンゼルプランとは別立てに316億円計上。
待機児童の解消は政府の重点施策の一つであり、従い政府全体の緊縮予算の中でも、
その実現に向けて316億円が予算化されています。
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保育所の受入れ児童数の増大190.7万人→195.5万人(4.8万人増)
保育所運営費の増大、保育所緊急整備 |
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送迎保育ステーション試行事業の創設 |
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駅前保育サービス提供施設等設置促進事業の創設 |
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認可化移行促進事業の創設 |
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待機児童解消のための保育施策の推進等 |
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家庭的保育事業の促進 |
◆施設の整備運営の充実(P.18 )<予算については社会・援護局に一括計上>
保育所施設整備の補助方式の拡大
公設民営による整備を図るため、
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社会福祉法人等に貸与することを目的として保育所を整備する場合の費用 |
▽ |
自治体がPFI選定事業者に貸与することを目的として保育所を整備する場合の買取費用 |
についても施設整備費の補助対象とする。
◆児童福祉法の一部を改正する法律の概要(P.129)
認可外保育施設に対する監督の強化等
認可外保育施設を設置したものの届け出制の創設
◆多様な保育需要に応じ規制緩和を実施<主なもの> (P.132)
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定員の弾力化(10年度・13年度にて段階的に実施) |
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設置主体制限の撤廃(12年3月末から実施) |
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賃貸方式の認容(12年3月末から実施) |
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待機児童の多い地域における設置基準の弾力化(13年3月末から実施) |
老健局
◆ゴールドプラン21の推進 (P.6)
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特別養護老人ホームについては、4人部屋主体の居住環境を抜本的に改善し、入居者の尊厳を重視したケアを実現するため、個室・ユニットケアを特徴とする新型特別養護老人ホームの整備を推進する。 新型特養の入居者については、低所得者に配慮しつつホテルコストの負担を求めることとする。 |
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ホテルコストの負担により低所得者の個室利用が阻害されないよう、低所得者についてはホテルコストの負担軽減を行うこととし、具体的には新型特養に対応した介護報酬体系を設ける中で、その配慮を検討する。 |
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ケアハウスについては、設置主体を民間企業等に拡大し、PFI選定事業者に貸与することを目的としてケアハウスを整備する場合の買取費用についても施設整備費の補助対象とすることにより、整備を促進する。 |
※ホテルコスト:新型特養では居室を個室にすることによって、入居者は個性とプライバシーが確保された生活空間を持つことができます。これは、実質的に「介護機能」+「賃貸の自宅」の形態に近づいたものと言えます。この「自宅」の部分の経費を入居者に負担してもらおうというのがホテルコストの負担という考え方です。
またこうした考え方は光熱費などを含めた住居費全体を自分で賄っている在宅介護サービスを受けている者との均衡を図れるという側面も持っています。 |
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□PFI制度を活用した公設民営型ケアハウスの整備促進について(P.11)
※PFI:Private Finance Initiativeの略。公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金経営能力及び技術的能力を活用して行うというものです。こうした民間の「活力」を導入することにより、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。 |
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◆平成14年度税制改正の概要について(P.73)
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介護保険事業支援計画に基づき整備が必要な地域において開設される介護老人保健施設の用に供される建物等の固定資産税の軽減措置の適用期限の延長
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介護サービス事業を行うNPO法人(特定非営利活動法人)に関する税制上の支援の充実 |
◆介護サービス基盤の整備状況(P.74・ 75)
介護保険施設等の各都道府県別設置数
社会・援護局障害保健福祉部
◆障害者プランの推進について(P.18)
「障害者プラン〜ノーマライゼイション7ヵ年計画」は平成14年度が最終年となり、厚生労働省所管の障害福祉設備の整備、相談支援事業など各種保健サービスの充実に向けて予算達成に向けて現在推進中である。特に平成15年度から現在の措置制度に変わって導入される新たな利用契約制度(支援費制度)の移行のためにも「障害者プラン」によるサービス提供基盤の整備がきわめて重要である。
※授産施設の13年度→14年度の推移
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13年度
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14年度 |
身体障害者通所施設
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9,766人分 |
10,000人分 |
知的障害者通所施設
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46,180人分 |
46,800人分 |
精神障害者入所・通所施設
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8,020人分 |
9,000人分 |
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◆小規模通所授産施設の活動支援について(P.48)
小規模作業所の運営の安定化を図り身近な地域における障害者の授産活動を支援する観点から、先般の社会福祉法等の一部改正によ小規模通所授産施設を法定化し、平成13年度から運営費及び施設・設備整備費に対する補助を行っている。
平成14年度予算案については、身体障害、知的障害、精神障害、3障害合わせて120ヵ所増を図っており、都道府県等においては、引き続き小規模作業所からの法定施設の移行について、社会福祉法人化への指導などを行う。
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