介護ビジネスの現況

黒字は4社に1社!
介護保険制度が導入されて3年目を迎えました。制度導入以来、「高齢者介護ビジネス」の到来として、個人の起業家の参入が目立ったのが当初の大きな特徴であり、こうした傾向は、今でも尚続いおり、中長期的な市場の拡大を睨んで参入してくる個人が多く、介護ビジネスでの貸付額は、今年度も前年度比15%の増のペースで伸びているといわれています。(国民生活金融公庫調べ)しかし、現状は厳しいようで、個人の参入が盛んな反面、淘汰も激しくなっています。比較的事業として参入しやすい訪問介護、訪問入浴介護を中心に営んでいるところが、経営的に苦しく、赤字に陥っているのが現状のようです。経営的に安定しない理由としては、「利用者の体調不良や入院でサービスが中止となり利用者数が伸びない。」「単価の低い家事援助サービスが多い。」等としています。(介護報酬には身体介護、家事援助等のサービスの内容により、報酬単価が決められています。)
 また、ヘルパーなどの人材不足も深刻で、事業拡大の足かせとなっています。比較的女性に多いこの職種は、肉体的な疲労を感じる者も多く、かつ利用者やその家族に対する心のケア活動でヘルパー自身が精神的にかなりの負担があるといわれています。しかしその割には、給与水準が低く、介護業界への就職を不安視し、ヘルパー不足の問題が露呈されています。
 従い、業界では介護報酬、特に家事援助サービスの報酬引き上げを望むとともに、自らヘルパーを確保するための養成講座を開くなどして、企業の自助努力により現状からの打開策を図ろうとしています。
 さらに、潟Rムスン等の規模のある会社は別として、個人企業の場合、身内等老親介護の経験はあっても、収支計算や労務管理などの会社経営に不可欠な知識が足りない業者も多く、淘汰されていく原因と指摘する向きもあります。従いこうした業者へのコンサルタント事業も、新たなビジネスマーケットといえるでしょう。 

訪問介護サービスのいろいろ
サービスの種類 サービスの内容の定義
訪問介護
(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが居宅で行なう入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の世話。
訪問入浴介護
居宅を訪問し浴槽を提供して(浴槽搭載の入浴車等を使って)行なわれる入浴の介護。
訪問看護 主治医の判断に基づき(訪問看護ステーションや医療機関の)看護婦等が居宅で行う療養上の世話と診療の補助。
訪問リハビリテーション 主治医の判断に基づき(理学療法士・作業療法士が)居宅で行なう、心身機能の維持回復・日常生活の自立援助のための、理学療法・作業療法等のリハビリテーション。

商業ビル内等での大型保育、都会の育児を後押し!
東京等大都市での商業ビル建築の際に、ビル内に保育所運営に実績のある企業を誘致して、当該商業ビルに
「職場内保育」ができる環境をアピールして、建物全体の価値を高めようとする動きが顕著になってきています。
 また、マンション建設の折にも、1階部分に民間企業の保育所を設置する等して、都会の保育所不足の解消に向けての動きが活発になっています。
 民間企業で保育実績のある潟xネッセコーポレーションでは、東京都板橋区に丸紅不動産鰍ェ運営する商業ビル内に、東京都から認証保育所の指定を受け、「ベネッセチャイルドケアセンター板橋」をオープンしました。
 また、潟|ピンズコーポレーションも同様に東京都品川区に保育所を設ける予定とのことです。

場所
開業時期
運営主体等
東京都港区六本木
2003年春 保育所運営会社を誘致中。
東京都板橋区
2002年2月 艦゙ネッセコーポレーションが運営。認証保育所として開所。
東京都目黒駅東口 2002年9月 保育所運営会社を誘致中。
名古屋市
(民間マンション)
2002年3月 東染総業鰍ェ運営。