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これまでの行政による措置制度から、福祉サービスを利用者が自ら選択する制度へと移りつつある時代の趨勢の中にあって、民間施設が量的にも質的にも充実しつつある現状に鑑み、都はその福祉分野における役割を「サービスの直接供給」から「新しい福祉システムの適正な維持、向上」に転換させるべきであるとして、今後段階的に施設の廃止や民間移譲を進め、運営からの撤退をめざしていくとの方針を示しています。
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◆「都立福祉施設改革推進委員会報告書」に関する記事から◆
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報告書では、民間施設が量的・質的に充実する中、都が福祉分野で果たすべき役割について「サービスの直接供給」から「福祉システムの適正な維持・向上」に転換させる段階にあるとして、施設運営を見直すべきとの見解を示している。
主な都立福祉施設の内訳は、特別養護老人ホームと老人保健施設で構成するナーシングホームなど高齢者施設が7ヵ所、一人親家庭の子供などを預かる児童養護施設が10ヵ所、障害者施設は19ヵ所で、今年4月現在の各施設の定員は計約6,600人。都立施設には現在約5,000人が入通所しているが、特別養護老人ホームの都内の待機者だけでも2,500人を超えており、反発が予想される。
対象とされる施設のうち、障害者施設と都内にある児童養護施設は民間に移譲。都外にある児童養護施設と高齢者施設のナーシングホーム、軽費老人ホームは規模を縮小し、将来は廃止する。児童自立支援施設など法律で都が運営すると定める施設は継続する。
報告書では都直営の施設サービスは「収束させていくことが適当」と指摘し、精神疾患やアルコール依存といった問題を抱える高齢者が増え、新たな需要が出ている養護老人ホームについては「将来の方向を早期に定めるべきだ」としたが、他の施設は廃止や民間への移譲を明確に盛り込んでいる。
(日本経済新聞・朝日新聞 6月28日朝刊より)
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ナーシングホーム(特別養護老人ホーム・老人保健施設)
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2ヵ所
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廃止に向け規模縮小 |
養護老人ホーム
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4ヵ所
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規模縮小、民間委託施設は移譲 |
軽費老人ホーム
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1ヵ所
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早期廃止 |
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都内の児童養護施設
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5ヵ所
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民間移譲 |
都外の児童養護施設
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5ヵ所
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廃止 |
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