(日本経済新聞 7月26日朝刊より抜粋) <支援策の背景とメリット> 介護保険は各市町村でかかった費用の二割弱を地元の65歳以上の人が負担するしくみであるため、対象住民が少ない自治体は財政基盤が不安定になりがちです。 さらに、ただでさえ介護サービスの利用増加に伴って費用が膨らみ、今度の改定では大半の市町村が65歳以上の保険料を引き上げる公算がささやかれている中、 対象住民の少ない自治体では当然その引き上げ幅も大きくならざるを得ないとされています。 厚生労働省の統合支援策はこの点に備えてのもので、複数の市町村が制度を統合し、共同運営を行うことによって財政基盤を強化し、保険料の引き上げ幅を圧縮しようとするものです。 さらに、事務処理の効率化による経費節減、同じサービスでも利用者の保険料負担が市町村により異なるという不公平の是正、 1市町村では医師などで構成する介護認定審査会の委員の確保が困難で、要介護認定の判定に支障が出るといったケースの解消など、他の利点も考えられます。 <予算拡大、規制緩和> 具体的には、来年度予算における統合助成枠の拡大(14年度は5億円)を要求するほか、要介護認定システムを圏域内で統一する費用の一部を補助する、 さらに従来65歳以上の保険料を統合と同時に一本化するよう義務づけていたのを、最長6年まで経過措置として自治体間の保険料格差を認めるよう規制を緩める、 などの方針が打ち出されています。たとえば保険料格差が34市町村で4倍を超える見通しの沖縄県介護保険広域連合では、 当面3段階の保険料が設定されるのことです。 この促進策によって、来年度には全国11地域(103市町村)での統合実施が見込まれているとのことです。全国で市町村合併が進む現況からみても、介護保険広域化の動きは今後もさらに続きそうです。 | |||
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