〜支援費制度に移行する障害者福祉サービスについて〜 ◆第3回◆ 知的障害者福祉法上の施設サービス

 不定期連載の3回目は、知的障害者福祉法(以下「法」という。)上に規定される施設サービスについてまとめます。
 ※ データはすべて厚生労働省統計(平成13年10月1日現在)によります。




知的障害者更生施設(施設数1,710):18歳以上の知的障害者を入所させて、保護するとともに、更生に必要な指導及び訓練を行う施設。入所者は施設での生活を通じて、日常生活上必要な動作・習慣を身につけると同時に、自立した社会生活を営むための作業指導も受けます。入所(施設数1,344)と通所(同366)とがあります。

知的障害者授産施設(施設数1,186・小規模授産施設[ ★ ]を除く)18歳以上の知的障害者であって雇用されることが困難な者を入所させ、自活に必要な訓練を行うとともに、職業を与えて自活させることを目的とする施設。職業の種目は農業・園芸から包装、組立、印刷、食品製造、手工芸などさまざまですが、各施設で扱う種目は地域の実情や製品の需給状況等を考慮して選定し、また作業時間や作業量についても従事する者に過重な負担とならないよう配慮するものとされ、施設は従事する者に対し、事業収入の中から必要経費を控除した額に相当する金額を、工賃として従事した者に支払います。入所(施設数229)と通所(同957)とがあります。
  ★ 定員20人未満の通所の授産施設(施設数71)を指します(支援費対象外)。
 このほかに知的障害者の就労の場として設置された施設として知的障害者福祉工場(支援費対象外)があります。こちらは身体障害者における同種の施設と同様、利用者(=就労者)は経営者と雇用契約を結び、労働関係法規の適用を受けるなど、企業的色彩が濃い施設です。

知的障害者通勤寮(施設数121)就労している知的障害者に対し、居室その他の設備を利用させるとともに、独立及び自活に必要な助言や指導を行うことを目的とする施設。知的障害者が段階的に施設外での社会生活に適応してゆけるよう、施設と社会との間でのワンクッション的施設として設置されたもので、利用者は一定期間(原則2年)ここから職場へ通いながら、将来の社会参加を円滑に行えるよう、独立自活のために必要な支援を受けます。

知的障害者デイサービスセンター(施設数157)知的障害者デイサービス(18歳以上の知的障害者またはその介護を行う者を知的障害者デイサービスセンターやその他省令で定める施設に通わせ、社会生活への適応に必要な訓練、介護方法の指導などを行うこと)を提供する施設。利用者に対し、園芸・美術・書道などの文化的活動や日常生活動作等の機能訓練、作業訓練などのほか、給食や入浴のサービス、家族(介護者)に対する介護及び生活援助方法の指導などを提供します。(注・デイサービスセンター自体は上記のように知的障害者援護施設の一つですが、デイサービス事業は施設サービスではなく、居宅サービスとして位置づけられます)
 
知的障害者福祉ホーム(施設数70):現に住居を求めている知的障害者に対し、低額な料金で居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設。一定程度の自活能力がある知的障害者が、家庭環境や住宅事情などの理由によって家族との同居が困難であるため、住宅の確保が必要な場合に、利用者が経営主体(自治体または社会福祉法人)と契約して利用します。
 
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◆ 支援費単価最終案提示 〜1月28日・厚労省「支援費制度担当課長会議」〜 ◆
28日、厚労省において、都道府県などの支援費制度担当者による全国会議が行われ、支給に係る事務や支援費単価基準、利用者負担基準などについて説明ならびに質疑応答が行われました。支援費単価(案)については、すでに昨年9月の担当課長会議資料(本紙昨年9月20日号にて既報)などで示されていたものに追加・修正が加えられています。先に行われた全国厚生労働関係部局長会議資料(前号にて既報)によると、正式な告示案は2月を目途に定めるとのことですので、今回示されたものが実質的な最終案といえます。
 今回の会議資料等には会計処理関連での大きな連絡事項は示されておらず、厚労省によると、会計関連の通知・事務連絡等の発出時期については、今年度中ということ以外にはまだ具体的に決まっていないとのことでした。

◆ 社会福祉・医療事業団が支援費制度移行に伴うつなぎ資金を融資 ◆
支援費が約2か月遅れで支払われることから、各事業者は制度導入直後の運転資金(いわゆるつなぎ資金)を準備する必要がありますが、社会福祉・医療事業団では、希望する事業者に対して下記の条件で資金貸付を行います。
  ・貸付金の限度額:施設訓練等支援費=2か月分の必要資金 居宅生活支援費=3か月分の必要資金
  ・貸付利率:貸付契約日の財政投融資資金の利率  ・償還期間は5年以内、償還方法は3か月ごとの元金均等償還
  ・利息の支払い方法:年4回の後払い  ・借入要望額が1,000万円以内の場合は無担保
 なお、事業団への申込期限は2月28日までとなっております。詳細は下記URLよりご照会下さい。
                       http://www.wam.go.jp/jigyoudan/gyoumu/fukushikashitsuke/tsunagi.html

              (社会福祉・医療事業団のホームページは http://www.wam.go.jp/index.html [ トップページ ])