支援費制度に移行する障害者福祉サービスについて ◆最終回◆知的障害者福祉法・児童福祉法上の居宅サービス

 最終回は、知的障害者福祉法及び児童福祉法上の居宅サービスのうち、支援費制度が適用されるものについてお知らせします。

知的障害者居宅介護等事業:18歳以上の知的障害者であって日常生活を営むのに支障がある者に対し、入浴、排泄及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事、生活等に関する相談・助言や外出時の移動の介護など、居宅における生活全般にわたる援助(いわゆるホームヘルプサービス)を提供する事業です。
知的障害者デイサービス事業:18歳以上の知的障害者またはその介護を行う者を知的障害者デイサービスセンターなどの施設に通わせ、文化的活動(スポーツ・手芸・陶芸・木工、地域活動等の技術援助及び作業)、機能訓練(日常生活動作、家事訓練等)、社会適応訓練(会話・ワープロ・生活マナー等)、家族等に対する介護・生活援助方法の指導、入浴・給食サービスなどを提供する事業です。
知的障害者短期入所事業:いわゆるショートステイで、介護者の疾病・出産・冠婚葬祭や旅行・休息などの社会的又は私的理由により一時的に介護を受けられなくなった18歳以上の知的障害者を、知的障害者更生施設・知的障害者授産施設などに短期間入所させ、一時的に施設を利用させる事業です。入所期間は1週間程度とする場合が一般的です。
知的障害者地域生活援助事業:地域のグループホーム()において共同生活を営む満15歳以上の知的障害者に対し、食事の提供や健康管理・金銭管理の補助、余暇利用の助言など日常生活に必要な支援を提供する事業です。グループホームの定員は4人以上7人以下で、入居者は家賃・食費などの実費分を負担し、各ホームには前述の支援を行う世話人が配置されます。
)この場合の「グループホーム」とは痴呆性高齢者が共同生活を営む施設のことではなく、地域において共同生活を営もうとする知的障害者を居住させ、自立の促進を図るための施設のことを指します。


児童居宅介護等事業:身体障害または知的障害のある児童(以下「障害児」という。)に対し、ホームヘルプサービスを提供する事業です。(「児童」の定義については下記※1参照)
児童デイサービス事業:障害児を肢体不自由児施設(※2)、知的障害児施設(※3)などの施設に通所させて、日常生活における基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練などの便宜を提供する事業です。
児童短期入所事業:障害児を対象としたショートステイで、障害児を肢体不自由児施設や知的障害児施設などに一時的に入所させ、必要な保護を行う事業です。
※1)児童:法上の定義は「満18歳に満たない者」です。
※2)肢体不自由児施設:上肢、下肢又は体幹の機能に障害のある児童を治療するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設(法43条の3)。医療と保育・教育との両面から肢体不自由児の療育を行うところです。
※3)知的障害児施設(法42条):知的障害のある児童を入所させて保護するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設。精神科の診療に相当の経験を有する嘱託医、児童指導員及び保育士などが置かれ、生活指導や職業指導等が行われます。


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◆ 福祉サービス第三者評価、国・都道府県に推進機構設置 ◆
 3月4日に行われた厚労省社会・援護局関係主管課長会議において、目下整備が進められ、推進されているところの福祉サービス第三者評価事業について、今後の方針が示されました。
 それによると、国・都道府県それぞれに「第三者評価推進機構」を設置し、都道府県レベルでは管内の評価機関の認証、評価調査者の養成研修や都道府県独自の評価基準の策定などを行います。国レベルの同機構は @評価機関普及協議会 A評価基準研究・策定委員会 B評価調査者研修・評価機関公表委員会 の3組織から構成され、それぞれ @=都道府県レベルの認証機関及び各評価機関を会員とし、第三者評価に関する情報交換や事例発表等を中心とした研修、パンフレット等による普及啓発事業などを行う A=評価基準等の情報収集・研究、都道府県レベルの認証要件のガイドライン策定などを行う B=都道府県において実施する評価調査者研修の指導者を養成するためのカリキュラム策定や研修を行う などの業務を行うとしています。
 第三者評価事業そのものの質を担保する上で、各評価機関を公平中立な機関が審査し、認証するという制度は有効な手段であると思われます。本紙既報の通り、東京都においてはすでに認証制度が始まり、さらに都はこのほど、認証取得機関による評価を受けようとする事業者に対して補助金を出すという方針を打ち出しています。
 厚労省は今回示した計画について、平成15年度以降に所要の体制整備、研究等を行った上で、正式に定める方針とのことです。
                                ・参考資料:厚生労働省社会・援護局関係主管課長会議資料(15年3月4日)