厚労省、在宅・施設折衷型「第三のサービス」新設
 
 報道によると、坂口力厚労相の諮問機関である厚労省社会保障審議会の介護保険部会は、平成17年度の介護保険制度見直しの際、在宅介護と施設介護を折衷した第三のサービスを新設する方向で、近く審議を開始するとのことです。
 新設のサービスは地域ごとに民家などを改修し、自宅の近く で既存の介護施設に準じた介護を提供する小規模ケア付きホームとするもので、特別養護老人ホームのように夜間も含めたサービス提供を行う一方、規模を10人程度とし、家庭に近い環境にすることで、既存のサービスでは補えないきめ細かな需要にも対応できる施設とする方針です。また、この小規模ホームを日中だけ利用するか一定期間そこで暮らすかは利用者が選択し、既存の施設入所者も利用可能となります。
 新サービスの介護報酬は現在の在宅と施設の中間、家賃や光熱費の部分は利用者の自己負担となる見通しで、民間企業の参入も認める一方、運営状態に対する監査は現在の在宅サービスより厳しくするとのことです。
 サービス新設の背景には、一人あたりの費用がかさむ既存の施設への入所者増加を抑えることによって介護保険財政の悪化を防ぐとともに、希望しても入所できない人が多い現状を改善する意図があるものとみられています。同部会では平成17年実施をめざし、6月に政府が定める「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針第三弾)」に盛り込む方針です。(参考:日本経済新聞4月7日朝刊・下図は同紙より抜粋)



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◆郵便貯金制度改正〜社会福祉法人にも預入限度額〜 ◆
 4月1日から日本郵政公社が発足したことに伴い、郵便貯金の制度が一部改正されています。特に、これまでは地方自治体や社会福祉法人については適用外とされていた1,000万円の預入限度額が、今回の改正によって原則的にこれらの法人にも設定されることとなっており、注意が必要です。
<郵便貯金法・新旧対照表>

新(下線は改正部分)

(貯金総額の制限)
第10条 貯金総額は、一の預金者ごとに、住宅積立郵便貯金及
  び次項に規定する郵便貯金に係るものを除き千万円、住宅積立
  郵便貯金につき50万円を超えてはならない。ただし、次に掲げる
  法人その他の団体のうちその主たる事務所が一般の金融期間
  (預金又は貯金の受入れを業とする者をいう。)がない市町村の
  区域(注)として総務大臣が告示する区域に所在するものについ
  ては、この限りでない。
. 所得税法(昭和40年法律第33号)別表第1第1号の表に掲
  げる法人(注)
. (略)
. 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会
  福祉事業を経営する営利を目的としない団体(注)
(貯金総額の制限)
第10条 貯金総額は、一の預金者ごとに、住宅積立郵便貯金及
  び次項に規定する郵便貯金に係るものを除き千万円、住宅積立
  郵便貯金につき50万円を超えてはならない。ただし、次に掲げる
  法人その他の団体については、この限りでない。
1. 国
2. 所得税法(昭和40年法律第33号)別表第1第1号の表に掲
  げる法人
3. (略)
4. 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会
  福祉事業を経営する営利を目的としない団体
(注)「一般の金融期間がない市町村の区域として総務大臣が告示する区域」
     →栃木県栗山村、東京都御蔵島村・青ヶ島村、石川県河内村、愛知県富山村、奈良県野迫川村、愛媛県生名村、大分県
      上津江村、鹿児島県三島村・十島村、沖縄県座間味村 の各区域(平成15年2月14日・総務省告示第118号)
   「所得税法別表第1第1号の表に掲げる法人」→地方自治体などのほか、社会福祉法人も含まれます。
   「社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業を経営する営利を目的としない団体」
     →社会福祉法人以外の社会福祉事業者、NPO法人などがこれに該当します。
 上記のように、改正後は上記「(注)」に列記した区域に主たる事務所をおく法人を除き、郵便貯金の預入金額は1,000万円が上限となります。なお、利子はつかないものの預入限度額がないということで、ペイオフが話題となっていた頃に注目された郵便振替口座については従前通りで、現時点では制度変更の予定もないとのことです。(以上照会先:日本郵政公社・総務省)