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◆ 政府・地方分権会議、国庫補助金の見直しを首相に提言 ◆
  政府の地方分権改革推進会議(議長・西室泰三東芝会長)は、かねて同会議で議論が進められてきた保育所運営費や義務教育費の削減など国庫補助事業や補助金の見直しに関する報告書を、この7日に小泉純一郎首相に提出しました。同会議は昨年10月、135項目からなる補助金見直しをテーマとする報告書を作成しており、今回の報告書はその実施状況と今後の重点目標を示したものです。
 この中で、保育分野では幼保一元化推進と調理室必置義務の見直しのほか、国が負担する保育所運営費4,220億円の一般財源化)を重点項目に掲げています。このほか、すでに削減方針が固められている義務教育費(公立小中学校の教員給与などに充てられるもの)国庫負担分約2兆8千億円についても、制度の見直しを求めています。
 同会議では、報告書に示された4分野(社会保障、教育・文化、公共事業、産業振興その他)で見直し対象となる補助金額を15年度予算ベースで総額8兆6000億円と試算し、具体的な見直しの進め方や数値目標、期限などについては今後の政府内の調整に委ねています。報告書の内容は政府が6月に取りまとめる「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針)」にも盛り込まれ、同方針の中で18年度までの4か年計画として削減規模や地方への具体的な税源移譲の方法などが示される見込みです。
(参考・5月7日付毎日新聞・読売新聞)

 一般財源化国が使途を決めて自治体に交付する補助金を廃止し、代わりに使途の限定がない「地方交付税」を交付する措置。保育所運営費については、昭和25年度にそれまで国庫負担であった運営費が一般財源化され、同28年度から再び国庫負担制度に戻された経緯があります。

◆ 有料老人ホーム3社に初の排除命令 〜公取委、サービス不当表示で〜 ◆
 公正取引委員会は、実際には行っていない介護サービスをパンフレットに表示したなどとして、有料老人ホームを経営する3事業者に対し、景品表示法)違反で排除命令)を出しました。有料老人ホームの不当表示に対して排除命令が出されたのは初めてとのことです。
 命令を受けたのは石川県金沢市(以下A社)、静岡県西伊豆町(同B社)、東京都江戸川区(同C社)に本社が所在する3社で、入居者募集用パンフレットなどに下のような不当表示を行っていることが発覚したものです。公取委は3社に対し、表示と実際のサービス内容とを一致させる改善策をとるよう命令を下しました。
 ▽介護サービス、医療・看護体制に関する不当表示
   実際には介護保険給付金の対象に含まれるサービスを、保険給付対象外の付加的なサービスであるかのように表示して特別料金
  を徴収(A社)・「隣接医療機関が入居者のために24時間の医療体制をとっている」(B社)・「介護職員1人が担当する要介
  護・要支援者は6人(実際は1人の介護職員が17人を担当)」(C社)など、実際と異なる内容を表示 など
 ▽利用料金などに関する不当表示
   一般居室から介護居室へ移る際に、別途料金の負担なしですべての介護居室が利用できるかのように表示(C社)・あたかも全居
  室が南向きであるかのように表示(A社・C社)
 これまでにも公取委は有料老人ホームの表示について事業者に再三警告を行っており(H5年以降6回、延べ24事業者・朝日新聞による)、業界団体にも会員事業者への指導と表示の適正化を要請していましたが、改善されないため、初の排除命令に踏み切ったものです。公取委は業界団体に指導徹底を要請したほか、厚労省に対しても各都道府県を通じた各施設への指導強化を求めました。これを受け、厚労省は各都道府県に対し、指導を徹底するよう通知を行ったとのことです。
(参考・4月17日付日本経済新聞・朝日新聞、同22日付読売新聞、5月5日付福祉新聞)
 景品表示法:正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、一般消費者の保護及び公正な競争秩序の確保の見地から、
        不当な顧客誘引行為のうち過大な景品類の提供や不当な表示を効果的に規制することを目的としています。
  排除命令
:公正取引委員会が、過大な景品提供行為や不当な表示を行った事業者に対して出すもので、その行為の差止めや、その
        行為が再び行われることを防止するために必要な事項、及びそれらに関連する公示その他の事項を命じることをいい、当該違反
        行為が既になくなっている場合にも出すことができます。
有料老人ホーム
(14年7月時点で494施設
事業主体の要件 個人でないこと(自治体及び社会福祉法人に限定されない)
概 要

食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。住宅型(入居者に介護が必要となった場合は、外部から提供される訪問介護などの介護サービスを利用しながら居室での生活を継続できる)と健康型(入居者が要介護状態になっても介護サービスの提供は行わないため、その利用者は契約を解除し退去しなければならない)、介護付(自施設において介護サービスを提供し、特定施設入所者生活介護の事業者として指定を受けた有料老人ホーム)がある。

 厚労省調べ・4月17日付日本経済新聞による