〜厚労省、社会福祉法人に対する指導監督の厳格化促す通知を発出〜

 厚生労働省は各都道府県・指定都市及び中核市に対し、社会福祉法人の指導監督の徹底を促す通知を9月19日付で発出しました。

||||| 総務省の勧告を受け |||||

 今回の通知発出の背景にあるのが、総務省による「社会福祉法人の指導監督に関する行政評価・監視結果に基づく勧告()」(今年7月25日実施)です。
 これは総務省が厚労省に対して、社会福祉法人の運営状況(14道府県142法人を調査)や社会福祉施設・設備整備に係る補助事業の実施状況(11道府県57法人を調査)に関する調査結果に基づいて行ったものです。勧告の中で、総務省は調査によって明らかになった法人運営や補助事業における不適切事例を挙げ、厚労省に対し、法人運営の適正化と行政による指導・処分の厳正化を促す技術的助言を各都道府県・指定都市及び中核市に行うよう求めています。
(全文)http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030725_1_01.html
  (要旨)http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030725_1.html   (いずれも総務省ホームページ)


 厚労省の今回の通知はこの勧告を受けてのもので、概要は以下の通りです。
◆通知はこちらからご覧になれます◆ → http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/151002oo.pdf(厚生労働省ホームページ)

「社会福祉法人の指導監督に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」について(平成15年9月19日)

第1 社会福祉法人の運営の適正化について
   ・今回の調査で運営上不適切な事項がみられた法人に対し、早急に改善を図るよう指導すること。
   ・法人に対し、運営にあたっては法人審査基準、法人定款準則、法人会計基準又は入札契約等の取扱いに係る通知にのっとり、厳
    正に行うよう指導すること。
   ・法人監査にあたっては、法人に対する指導・処分を厳正に行い、これに従わない法人に対しては、改善命令のほか、業務停止命令・
    解散命令等も検討の上、適切な改善措置を実施すること。
第2 社会福祉施設・設備の整備に係る補助事業の適正化について
   ・補助事業の採択にあたっては利用が十分に見込まれるものを採択するよう厳正な審査を行い、補助金の交付目的に沿った施設の
    使用を確保するため、補助金監査を的確に実施すること。
   ・寄附金等については社会福祉法人に対する不当な資金の環流が行われているとの社会的疑惑を防ぐため、その取扱いについての規
    定(※)の遵守を指導するとともに、法人監査を的確に実施すること。
   ※「社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等設備整備費に係る契約の相手方等からの寄附金の取扱いについて」
    (平成13年7月19日 社援基発第23号)

>>>最近のQ&Aから<<<
 
Q:デイサービスと保育所を運営していますが、本部会計の処理の仕方がよくわかりません。
  本部会計は、現在は理事会費等以外はほとんど出金しないといわれていますが、以前からいくつかの経費についてまとめて本部から支払っている場合
 は、経理区分間借入金または経理区分間貸付金として、本部と施設の間の貸し借りとして処理するのでしょうか?
  当法人の場合、デイと保育所で按分するのでしょうか? またその時の仕訳はそれぞれどちらを経理区分間借入金・経理区分間貸付金にするのでしょ
 うか? 経理区分間借入金・貸付金の使い方を具体的に教えて下さい。
  たとえば、地代の場合、
 「(本部)経理区分間貸付金/普通預金 (施設)賃借料/経理区分間借入金」でよろしいのでしょうか?


A:確かに、本部経理区分で発生する経費としては理事会関連の諸費用や法人の資産登記など純粋に法人にのみ関わる費用ということになります。
  ただしそうした状況であっても、施設の代わりに本部の預金から支払う場合がいろいろあるということであり、ご指摘のように、本部と施設の間の貸し借りと
 いうことで処理していただければ結構です。
  その処理の方法としては、本部が施設の代わりに支払っているのですから、本部が貸しているということになり、本部の側が貸付金です。科目としては、
 「流動資産」の「その他の流動資産」の小科目として「施設経理区分貸付金」という科目を設けて処理していただければよいと思います。
  施設側は、「流動負債」の「その他の流動負債」の小科目「本部経理区分借入金」で処理します。
  したがって、地代の場合であれば、
 「(本部)施設経理区分貸付金/普通預金 (施設)賃借料/本部経理区分借入金」
 という仕訳になります。 ※ 地代の場合、保育所では「土地建物賃借料」という科目になります。
  ただし、保育所とデイサービスで按分するのかどうかということは、本部で支払った経費が保育所とデイサービスそれぞれにどれだけ関わるかということになり
 ますし、またなにぶん法人内部のことですからその費用の性質によっても変わってきます。したがって一概にこうであるとは申し上げられません。
  また
、保育所については資金使途制限があり、支出できない経費もあるという点にくれぐれもご注意下さい。