福祉サービスの第三者評価、15自治体で実施 〜東京都の全国調査による〜
 
  東京都は、全国の都道府県および政令指定都市・計60自治体に対し、福祉サービスに対する第三者評価の実施・検討状況について調査を行い、その結果をこのほど公表しました。  調査は今年の6月から8月にかけて行われ、結果は都がこの17日に開催した福祉サービス第三者評価の全国会議において公表されました。これによると、岩手・宮城・福島・東京・静岡・兵庫・島根・広島・長崎・宮崎・沖縄の各都県と千葉・神戸・北九州・福岡の各市の計15自治体が何らかの福祉サービスについて第三者評価を実施していると回答しており、13自治体が今後の実施を予定、29自治体が検討中で、実施予定なし()と回答したのは3自治体にとどまっています。評価を実施中または検討中と回答した自治体の現況のうち、主なものを下表にまとめました。
自治体名 取組状況・今後の予定 評価対象 評価機関 評価者
東京都 昨年度82事業所で試行、今年度より本格実施中
(約2,000事業所を予定)
高齢者・障害者・児童
計35サービス
都が設置する認証機関の認証を受けた株式・有限会社、NPO、社協、社団・財団など62機関(10月1日現在) 都の認証機関による講習を修了した253名(10月1日現在)
京都府 試行実施(15〜16年度の2ヵ年間)を10月より開始 介護保険事業者 営利企業、社団・財団、NPO等を対象として公募、15年度は9機関を認定 府主催の研修修了者54名(15年度)
大阪府 昨年6月に「福祉サービス第三者評価システム推進支援会議・大阪」を設置、評価者養成研修や評価機関の募集などを行う 介護保険施設、障害者施設、保育所など 一定の要件を満たし、推進支援会議へ会員として参画する機関(現在10機関) 推進支援会議による研修(今年2月・9月実施)の修了者222名
三重県 今年9月に試行、12月より本格実施予定 特別養護老人ホーム 県が決定する評価機関(株式・有限会社、NPO、社協等) 県主催研修の修了者
横浜市 15年度 検討委員会設置 
モデル評価の実施 
16年度 評価実施予定
高齢者・障害者・児童計16サービスについて検討 16年度より、株式・有限会社、NPO、社協、社団・財団等を対象として検討委員会が認証予定 検討委員会において、評価者の研修について検討中
北九州市 12年10月より 介護サービス、
14年3月より 児童福祉施設等、15年1月より障害者・児施設等について評価事業を実施中
高齢者・障害者・児童計26サービス 市が評価委員会を設置し、評価を行う 保険・医療・福祉の専門家、学識経験者、市民代表

 既報の通り、現在は痴呆性高齢者グループホームのみ評価受審が義務づけられ、他のサービスについてはまだ事業者の任意ですが、介護保険サービスについてはすでに厚生労働省が全サービスに第三者評価受審を義務づける方針を打ち出しています。他の分野においても、今後は事業主体の多様化が進むにつれて、サービスや経営の質の担保と利用者の選択の利便を図る必要から、第三者評価の果たす役割は大きくなってゆくものと思われます。(以上参考・東京都「福祉サービス第三者評価 自治体連絡協議会」資料)
実施予定なし」:義務化されている痴呆性高齢者グループホーム評価については、各都道府県において管内の評価機関または高
 齢者痴呆介護研究・研修東京センター(管内に評価機関がない場合)が行っています。「実施予定」とは、すでに行われているグ  ループホーム評価以外に、行政主導で評価事業を実施する予定、ということであるとのことです(都見解)。

One Point
◆どのようにして評価するか◆
 自治体によって細部に違いがありますが、多くの場合、@利用者に対するアンケート調査等 A施設・事業所による自己評価 B評価者の訪問調査による、(ア)経営や組織のマネジメントに関する評価 (イ)サービス提供の内容や質に関する評価 を行い、それらを総合して評価を決定する手法が採られているようです。

◆行政監査との違い◆
 行政監査は、所轄庁が当該施設に対し、法令が求める基準を満たしているかどうかを確認し、基準に合致していない点については改善を求めることがありますが、第三者評価の場合、基本的に評価機関が行うのは評価のみであり、その結果に対する改善を要求する権限はありません。あくまでも、評価の受審とその後の事業所自らの改善努力によって、提供するサービスや運営状況をよりよいものへと誘導することを目的としており、行政監査とは性質が異なるものです。