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◆ 厚労省、介護保険制度見直しに向けた本格的な検討を開始 ◆
16年に予定される介護保険制度の見直し(※)に関し、厚生労働省は本格的な検討に入りました。
厚労省は、福祉、医療、年金など制度横断的に調整・検討するための「介護制度改革本部」をこの8日に設置し、制度改正に向けた抜本的な見直し作業を開始しました。各紙の報道で伝えられている改革案をまとめると、以下の通りです。
(1)利用者負担の引き上げ
→ サービスの利用にあたって、現行では利用者はサービス料の1割を自己負担することとされていますが、サービス利用の急増にともなって介
護給付費も増大し続け、介護保険財政の将来が懸念されるようになっています。
この点に鑑み、サービス利用の伸びを抑制するため、自己負担率を引き上げることも議論の俎上に上げられる見通しで、すでに財務省の
財政制度審議会が現行の1割から2〜3割に引き上げることを求めています。
(2)保険料徴収対象の拡大
→ 現行では40歳以上とされている保険料の徴収対象年齢を20歳程度まで引き下げることで収入を増大させ、財政の安定化を図るもの
です。
(3)「要支援」「要介護1」の高齢者を従来の在宅サービス対象から外し、代替のサービスを新設
→「要支援」「要介護1」者を訪問介護など従来のサービス利用対象から外し、代わりに「介護予防サービス(筋力トレーニング・食生活改善・
口腔(こうくう)ケアなどを組み合わせて心身状態の悪化を防ぐもの)」を新設するというもので、同サービスには他にリハビリに有効な家事援助
なども含まれる可能性があるとのことです。
計画では18年度から段階的に実施し、21年度には新制度に切り替えることとされており、報道ではこれによって在宅サービス給付費が2
割程度節約されることになるとのことです。
(4)施設入所を重度の要介護者に限る
→ 特別養護老人ホームなど施設への入所要件を現行の「要介護1以上」から「要介護2以上」にするもので、将来的には「要介護3以上」
にすることも検討しているとのことです。これは待機者が多数にのぼる中、重度の要介護者を入所しやすくすることを目的としたものです。
(5)障害者福祉との統合
→ 介護保険を障害者福祉(支援費制度)と統合するという案で、原則65歳以上となっている介護サービス給付の範囲も見直し、若年層が
介護を必要とする状態となった場合も給付対象とするというものです。
厚労省はこれらを含め、社会保障審議会介護保険部会での議論も踏まえて、今夏をめどに改革案をまとめ、17年の通常国会に改正法案を提出する考えであるとのことです。 (以上参考:読売新聞1月5日・9日付朝刊、朝日新聞1月9日付朝刊)
※介護保険制度の見直し 介護保険制度においては、施行後5年を目途として制度全般の見直しを行うことが介護保険法で定められています(介護保険法附則第2条)。
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