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◆ 保育所・幼稚園の一体施設、17年度中に全国50ヶ所でモデル事業実施 ◆

 保育所・幼稚園の一体施設(本紙15年6月20日号にて既報)について、厚生労働省は18年度に創設する方針を固め、そのモデル事業を17年度中に全国約50ヶ所で行うこととした模様です。

>>>今夏にも最終案
 幼稚園は文部科学省所管の教育機関、保育所は厚生労働省所管の福祉施設ということで、所轄庁や存立の目的が異なっています。利用できる子どもの対象年齢、保育時間、保育・教育内容など、機能も異なっており、設置主体の基準、職員一人あたりの子どもの数、運動場や調理室などの施設設備などにも違いがあります(下表参照)。
 厚労省は社会保障審議会児童部会の中で新施設の具体策づくりを進め、文科省、総務省などとも協議しながら、今夏にも最終案をまとめ、17年の通常国会に関連法案を提出する予定であるとのことです。

  保育所 幼稚園 総合施設
対象児童 0歳〜就学前 満3歳〜就学前 0歳〜就学前
保育時間
(入所方法)
1日8時間が標準
/市町村と親の契約
1日4時間が標準/
幼稚園と親の契約
施設が提供する複数メニューから親が選択
/施設と親の契約
運営主体
(根拠法)
制限なし(児童福祉法) 学校法人が原則(学校教育法) 制限なし(新法制定も視野)
職員の資格 保育士 幼稚園教諭 双方の資格

>>>柔軟なサービス・多様な運営主体
 新しい施設においては、保育所・幼稚園それぞれの規制を大幅に緩和し、利用者の状況に応じた柔軟なサービスが検討されています。報道では、現在は保育所が8時間、幼稚園が4時間を標準としている1日あたりの保育時間を、施設側が用意する複数のメニューの中から利用者が選べるようにする、受け入れる児童の年齢層を施設が自由に決められるようにする、幼稚園に子どもを預けてパートで働いていた母親がフルタイムの職に就いて長時間保育が必要となった場合、現行制度のように保育所に替える必要がなく、同じ預け先のまま長時間保育に切り替えることができる、などが挙げられています。このほか、子育て相談、学童保育など、地域の子育て拠点としての機能も果たしていくこととされています。
 また、幼稚園は原則として学校法人が運営主体となっているのに対し、新しい施設では運営主体に制限を設けない方針で、多様な主体の参入が予想されます。
 厚労省は17年度から全国の都道府県や大都市約50ヶ所でモデル事業を実施し、18年度から全国的に導入する方針であるとのことです。(以上本文・表とも日本経済新聞16年1月13日付朝刊による)


>>>最近のQ&Aから<<<

Q1: 保育所の3号基本金の算定は、施設のみの年間の事業費12分の1で算定すべきなのでしょうか、それとも本部の事業費も含めて算定すべきなのでしょうか?
A1: 施設のみで結構です。同基本金はそもそも、社会福祉法人が立ち上がったときに開始する社会福祉事業に関して、措置費の請求から入金までのタイムラグを過ごすためのものですから、あくまでも施設のみで考えるということになります。
 
Q2: 新たに特別養護老人ホームを建設する場合に、介護保険の指定を受けていないケアハウスの資金を利用することは可能ですか?
A2: その財源によります。ケアハウスが受けている公金は39号通知の拘束対象ですので、民改費管理費加算分(2%)以外は使用できませんし、長期預り金はそのケアハウス自体の設備資金借入金の償還に充てることが目的ですから、こちらも使用できません。しかしそれ以外の財源であれば、同通知の縛りは受けないので、可能でしょう。また、以下は認められるケースと認められないケースがあると思われますが、ケアハウスの人件費積立金・修繕積立金・備品等購入積立金の目的外使用ということで、特別養護老人ホーム建設に充てることが可能かどうかを認可庁(都道府県もしくは政令指定都市)に確認してみることも方法の一つとして考えられます。