介護サービスに対する第三者評価制度についてはすでに検討が進められ、報道では厚生労働省は将来全サービスの事業者に対して評価受審を義務づける方針であるとも伝えられていますが(本紙昨年8月8日号にて既報)、最近の同省の担当者会議(全国厚生労働関係部局長会議:1月21日、全国高齢者保健福祉・介護保険関係主管課長会議:2月19日)の中で、介護サービスの第三者評価制度について言及されています。
||||| 7サービスに対してモデル事業実施 |||||
厚労省は今年度、(社団)シルバーサービス振興会に委員会を設置し、第三者評価の実施方法や評価基準等の検討を行っており、16年度はその成果をふまえて、訪問介護・訪問入浴介護・福祉用具貸与・通所介護・特定施設入所者生活介護・介護老人福祉施設・介護老人保健施設の7サービスを対象としてモデル事業を実施することとしています。
公表された資料では、全国7ブロックでの1次モデル事業実施の結果をふまえて、年度後半を目途に全都道府県で2次モデル事業を行うこととされており、2次モデル事業については「一定の要件を満たす法人に委託可」となっています。
||||| 各自治体が行う評価機関立ち上げ支援を補助・グループホーム評価 |||||
一方、すでに14年10月から事業所に評価受審が義務づけられている痴呆性高齢者グループホームにおいては、16年度予算案の「介護予防・地域支え合い事業」の一つとして、「グループホーム外部評価機関立上げ支援」が盛り込まれています。
東京都など一部を除き、ほとんどの自治体が管内に評価機関がないため、現在は経過措置として「高齢者痴呆介護研究
・研修東京センター(東京都杉並区の(社福)浴風会が運営)」に評価を委託できることとされていますが、経過措置期間が16年度末で終了し、17年度からはすべての都道府県がそれぞれの管内で独自に選定した評価機関による評価が開始されます。「外部評価機関立上げ支援」はこれに向けたもので、評価機関の選定に関する説明会の開催・開設手引書等の作成・評価調査員を育てるための講師養成研修の実施など、各都道府県が行う評価機関立ち上げの支援を補助対象としています。
高齢者福祉へのニーズの増大とそれに伴う事業者の増加が顕著な中にあって、各都道府県においては、サービスの質の担保を目的とした第三者評価制度の整備が、今後数年内のうちに急ピッチで進められてゆくものと思われます。
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