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◆ 株式会社運営による特別養護老人ホーム第1号、北海道に ◆ 〜 潟Wャパンケアサービス、構造改革特区内で 〜 かねて推進されている構造改革特区政策の一環として、このほど北海道爾志郡乙部町(にしぐんおとべちょう)が「公設公営高齢者福祉特区」に認定され、同町が設置運営している特別養護老人ホーム「おとべ荘」の運営を株式会社ジャパンケアサービス(本社:東京都豊島区)に委託することとなりました。 北海道檜山支庁管内の中央部に位置する乙部町は、少子高齢化で人口が減少傾向にある反面、65歳以上の高齢者比率は28.4%、総世帯数に占める高齢者世帯の割合は51.8%に達しています。こうした現状から、かねて特別養護老人ホーム、訪問介護、訪問看護、居宅介護支援、通所介護等の高齢者福祉事業を積極的に展開してきた同町は、このほど「施設サービスと在宅サービスを併せた利用者本位の総合的な介護サービスの提供」「効率的・効果的な運営による経費の削減」「節減された財源の他の福祉サービス充実への振り向け」などを目的とした「公設公営高齢者福祉特区」を申請し、認定されたものです。すでに特区内においてはPFIまたは公設民営方式による民間営利法人の特別養護老人ホーム運営が容認されており、今回がその第1号となります。 今回運営委託される特別養護老人ホーム「おとべ荘」は定員50人・ショート4人、職員36人(うち看護師2人、介護職員17人、管理栄養士1人)の施設、一方委託先となったジャパンケアサービスは居宅サービスやグループホーム、介護付き賃貸住宅、福祉用具の販売・リースなどを行う株式会社で、すでに同町においても直接あるいは運営受託によって事業を展開しています。 株式会社等の民間法人による特別養護老人ホーム設置・運営については、特区内での状況や施設サービス体系の見直しの状況などを見ながら、全国的な展開に向けての検討を進めるとされています。本件が他の自治体・企業に及ぼす影響も含め、今後の状況には注目が集まるところです。(参考:ジャパンケアサービス社の日経プレスリリース) ◆ 神奈川県、福祉サービス第三者評価推進機構を設置 ◆ 〜 評価者養成・評価機関認証など、評価制度実施に向けた取り組みを開始 〜 5月7日に発出された厚生労働省の福祉サービス第三者評価に関する指針において、各都道府県は推進組織を設置し、管内の事業所に対する評価を行うための評価項目の策定、評価者の養成および評価機関の認証等を行うこととされていますが、神奈川県はこのほど「かながわ福祉サービス第三者評価推進機構」(以下「推進機構」)を設置しました。先日行われた評価機関向けの説明会では、同県における評価のしくみとして、以下のような方針が示されています。 ・評価機関は神奈川県内に事務所を開設している法人 ・評価機関は評価を適切に行える評価調査者を必要数確保するとともに、中立な第三者により構成される評価委員会を設置する ・評価項目および評価基準については、推進機構が示す「共通評価対象領域(人権への配慮、地域との交流・連携、職員の資質向上促進など6領域)」を押さえた上で、各機関が任意に策定する(他の自治体のようにあらかじめ雛形を示すことはしない) ・評価者は推進機構が行う研修(計10日間)と評価機関が独自に行う研修とを修了した者とし、資格・年齢は不問 これらの中で、すでに制度が開始されている他の自治体と大きく異なるのは、「評価項目・基準は各評価機関が任意に策定する」「評価調査者は資格・年齢不問」という点です。前者は、あらかじめ自治体が評価項目・基準を策定し、それを各評価機関が使用する(独自に項目を追加することは可、とする自治体もあります)、という他の自治体の制度とは異なり、評価項目策定の段階ですでに各機関の競争・独自性の発揮が行われる、という点で注目すべきものであり、評価機関の力量が試されるともいえます。後者については、これまで評価機関にとっては難題であった評価調査者の確保を容易にするという点で画期的ですが、評価調査者の資質・能力をどのように担保するかについては、推進機構・各評価機関双方にとっての課題であるともいえそうです。 ほとんどの自治体が制度整備の途上にある中で、東京都など先発組とは異なる色を明確に打ち出した神奈川県の制度が今後どのような影響を及ぼすのか、注目されるところです。推進機構によると、今後さらに細部を検討し、順調なら8月頃に評価機関の募集を開始する予定であるとのことです。 |