|||||||||| T O P I C S ||||||||||

◆ 子どもの出生数過去最低 〜人口動態統計年計が公表される〜 ◆
 
◇厚生労働省大臣官房情報部は、6月1日、平成17年人口動態統計年計(概数)を公表しました。その概要は次のとおりです。(詳細については、統計関係のホームページ
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/index.html にアクセスしてください。)
 ○出生数は前年より48,117人少ない1,062,604人で統計史上最低となり、出生率(人口千対)は8.4で前年の8.8を下回り、1人の女性が一生に産む子ど
 もの数値である合計特殊出生率は1.29 から1.25に低下した。
 ○死亡数は前年より55,410人多い1,028,602人。死亡率(人口千対)は8.6で前年の8.2を上回った。
 ○出生数と死亡数の差である自然増加数は前年より21,408人少ない103,527人。自然増加率(人口千対)は△0.2で前年の0.7を下回り、明治37年以
 降の統計史上初めてマイナスとなった。
 ○婚姻件数は前年より6,156組少ない714,261組で、婚姻率(人口千対)は前年と同率の5.7であり、平均初婚年齢は夫は29.8歳、妻は28.0歳で前年より
 夫婦ともに0.2歳上昇している。離婚件数は前年より8,875組少ない261,929組、離婚率は(人口千対)2.08で前年の2.15を下回った。
 ○世界に例のない高齢化社会を迎え少子化対策が最重要施策として各方面から様々な議論の提起が予測されます。

◆ 幼保一元化施設“認定こども園”設置法案が成立 〜衆・参議院文部科学委員会で付帯決議が議決される〜 ◆

 
◇幼稚園と保育所機能を併せ持つ「認定こども園」を整備し、もって地域において子どもが健やかな育成に資することなどを目的として、厚生労働省が第164回国会に提出した「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」は、6月9日、参議院本会議(法案は衆議院先議で去る5月9日の本会議で可決され参議院に送付)で可決成立し、本年10月1日から施行されます。法案は、それぞれ衆・参議院の付託委員会である文部科学委員会で審議後、可決の際、付帯決議が議決されてますが、その概要は次のとおりです。
 ○衆議院文部科学委員会の付帯決議(4月28日議決。議決事項:5事項−抜粋−)
  @認定こども園が、子ども及び保護者の視点に立ち、親の就労の有無にかかわりなく教育、保育及び子育て支援を実施できるよう態勢の整備に十分配
  慮し、財政支援等の充実に努めること。
  A保護者が多様な施設を適切に選択できるように、認定こども園の情報公開、適切な評価の実施のための措置を講ずるよう努めること。
  B幼稚園と保育所の連携を一層強化するとともに、幼保連携型の認定こども園における事務手続きを一元化するよう適切な措置を講じること。
  C認定こども園の教育、保育、子育て支援の質の向上に資するため、職員の研修に積極的な支援を行うこと。
 ○参議院文部科学委員会の付帯決議(6月8日議決。議決事項:12事項−抜粋−)
  @認定こども園の運営費、施設整備費に対する財政支援等の充実と幼保連携型の認定こども園の設置の促進に努めるとともに、認定こども園における
  教育・保育の質の確保・向上のための措置を講ずること。
  A保育所型の認定こども園を保育に欠けない子どもが利用する場合であっても、幼稚園就園奨励費の活用等による保護者の保育料負担の軽減策に
  ついて検討すること。
  B子どもの教育・保育施設への障害児の受け入れや一時保育、病児・病後児保育など保護者のニーズの高い子育て支援の拡充に努めるとともに、認
  定こども園が地域の子育て支援の拠点として十全な機能を発揮できるよう、子育てにかかわるボランテイア、NPO、専門機関等との連携を強化するため
  の支援に努めること。
  C本法施行後、社会の変化や保護者の就学前の教育・保育に対する要望等を的確に踏まえ、国における就学前 の教育・保育に係る行政機関の連
  携強化を図るとともに、総合化についても検討を行うこと。

◆ 佐賀県が「育児保険構想試案」を厚生労働省に提出 ◆

 
◇佐賀県の古川 康知事は、20歳以上の全国民が納める月額1,800円の保険料と児童手当など既存の育児支援財源を合わせて4兆4千億の予算を確保し、保育所利用料負担の軽減や子育て支援サービスの充実など、同県が独自にまとめた「育児保険構想試案」を6月6日厚生労働省に提出しました。概要については下記のとおりです。
 《「佐賀県育児保険構想試案」の概要》
 20歳以上の国民から月額1,800円を基本保険料として徴収し、保険料(2.2兆円 )と児童手当など既存の国・地方の育児支援公費(2.2兆円)の計4.4兆円を財源として、次のサービスを提供し、子育てを社会全体で支援する。
 @ 保育サービス利用料の8割を保険から給付
 A 保育サービスを利用しない場合は、現金を給付
  * 保育サービスの利用限度額あり。* 現金給付は18歳到達時まで。
◎育児保険導入による効果
 @直接的な効果
 ○育児にかかる経済的負担の軽減
 ・共働き世帯のモデルケース(0歳:育児休業取得、1〜5歳:保育所利用、6〜8歳:放課後児童クラブ利用、0〜5歳:フアミリーサポートセンター利用)
 現行より、第3階層は約126万円
       第4階層は約189万円の経済的メリットが生じる。
       第5階層は約276万円        (18歳到達時まで)
 ・専業主婦世帯のモデルケース(0〜2歳:家庭で子育て、3〜5:歳幼稚園利用)
  現行より約222万円の経済的メリットが生じる。 (18歳到達時まで)
 ○子育て支援サービスの充実
 ・国の「子ども・子育て応援プラン」に掲げる21年度目標値まで、子育て支援サービスを拡充
 A波及効果
 ○育児・出産へのインセンティブ ○直接契約方式による保育サービスの向上 ○育児の社会化の実現