|||||||||| T O P I C S |||||||||| ◆ 基本方針2006(骨太方針)を閣議決定 〜内閣総理大臣の諮問を受け経済財政諮問会議が答申〜 ◆ ◇経済財政諮問会議は、7月7日、内閣総理大臣の諮問を受け「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」を答申し、同日閣議決定されましたが、その概要を記載します。 (詳細については、経済財政諮問会議のホームページ、http://www.keizai-shimon.go.jp/ までアクセスしてください。) ○これまでの5年間の改革推進により日本経済の飛躍に向けた基盤は固められつつあるが、更に豊かで安心な日本を後世代に引き継ぐため、政府は「新 たな挑戦の10年」に向けて更なる改革への取組みが不可欠であり、@成長力・競争力強化、A財政健全化、B安全・安心で柔軟かつ多様な社会の 実現 という三つの優先課題に取組む。 ○成長力・競争力強化する取組として、アジア等のダイナミズムの取り入れ等による国際競争力の強化、ITとサービス産業の革新による生産性の向上、都 市再生を含む地域・中小企業の活性化、官業の民間開放や規制改革により新たな需要の創出等経済成長戦略大綱の推進による成長力の強化と、 企業のガバナンス強化、競争政策の厳格化、消費者基本計画の推進、NPO活動の促進等により民の力を引出す制度とルールを改革する。 ○財政健全化する取組として、「徹底した政府のスリム化で国民負担を最小化」、「成長力を強化し国民生活の向上と財政健全化に活かす」、「優先度 を明確化し聖域なく歳出削減」、「将来世代に負担を先送りしない年金、医療、介護等社会保障制度を確立するため、特定の税収をその財源の選択 肢の一つとして検討」等7つの原則で、経済と財政の一体的な改革を実施する。また、2001〜06年度の財政健全化を第T期とし、2007〜2010年代初 頭を第U期として11年度時点の国・地方の基礎的財政収支黒字化のための必要財源は16.5兆円で、2.2兆円〜5.1兆円を消費税の増収などを視野 に入れた税収で負担し、11.4兆円〜14.3兆円は歳出削減(@公共事業費3.9〜5.6兆円AODA・防衛・教育費3.3〜4.5兆円B社会保障費1.6兆円 C公務員人件費等2.6兆円)改革を行う。2010年代初頭〜半ばの第V期は国・地方合計の債務残高GDP比の安定的引下げ、国単独でも安定的 引下げを目指す。 ○安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現する取組として、社会保障制度全体を捉えた一体的見直しを推進し制度の総合的改革、人生の各段階で 多様な選択肢による再チャレンジ支援、多様な子育て支援策・働き方の改革・国民運動を展開し総合的な少子化対策を推進、災害・治安・テロ対 策・循環型社会を構築し生活におけるリスクへの対処、幼児教育の振興・文化芸術・スポーツ環境を充実し豊かな生活に向けた環境を整備する。 ○第U期改革の初年度となる平成19年度予算は、財政健全化への取組を着実に実行に移すため、行政のスリム化・効率化を一層徹底し、総人件費、 特別会計、資産・債務改革等を適切に反映させるとともに、各府省からの要求についてはその必要性、効率性、有効性等を吟味し、予算配分の重点 化・効率化をおこなうとしており、この骨太の方針を受けた概算要求基準を7月下旬に策定し、閣議を開催し了承することにしています。 ◆ 「高齢者医療」・「高額医療・高額介護合算」制度の方針 〜厚労働省が医療制度改革関連法担当者会議で説明〜 ◆ ◇厚生労働省は、 7月10日都道府県担当者会議を開催し、平成18年4月からの「高齢者医療制度」及び「高額医療・高額介護合算制度」についての方針を説明しました。その説明概要は次のとおりです。 ▽「高齢者医療制度」は、75歳以上の老人医療費を @国・地方自治体の税金で5割 A国民健康保険・健康保険組合等からの支援金で4割 B高齢 者本人の保険料1割 でまかない、運営主体は管下全市町村が参加し作る「広域連合」。 ▽保険料は、来年11月頃までに各広域連合が決める予定で、厚労省の試算では全国平均月額6,200円程度。低所得者には、保険料の半分当たる定 額部分を3段階で軽減等の措置をきめており、例えば夫婦2人世帯で妻の収入が基礎年金(79万円)のみの場合、@夫の年金収入が153万円未満なら 7割 A177万5000円未満で5割 B223万円未満で2割の減免となり、7割減免の場合は残り半分の所得比例部分もゼロになるため、自己負担額は全 国平均で月900円程度になる見込み。 ▽交通アクセスが不十分、離れ島やへき地などの「無医地区」では、病院もないのにといった不公平感が強まる可能性もあることから、各広域連合の判断 で最大50%の減額を認める。さらに、高齢者にかかる医療費が全国平均より20%以上低い市町村については、広域連合が決めた保険料とその市町村 だけで推計した保険料との差の50%を上限に減額を認め、2年ごとに33%、17%に縮小していき14年度に統一する。 ○「高額医療・高額介護合算制度」は、医療と介護双方の費用を合算し自己負担限度額を設け負担軽減を目的として制度化する。現在の自己負担 限度額は、75歳以上の場合、医療費が月4万200円で、介護保険は介護の度合いに応じて6,150円〜3万5830円であり、年額換算では医療費は48万 2,400円、介護は最も重い要介護度5の場合で42万9,960円に達することになり、なかには自己負担が100万円を超えるケースもある。 ○年間合算額は、75歳以上の56万円が基本で、70〜74歳は62万円、70歳未満は67万円とする。現役並所得者(夫婦で年収520万以上)は、70歳以 上が67万円、70歳未満は126万円。住民税非課税など低所得層は19万〜34万円に抑える。 (参考:2006年7月10日朝日新聞・同7月11日毎日新聞)
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