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◆ 社会福祉法人経営の抜本的見直し 〜社会福祉法人経営研究会が報告書〜 ◆ 
◇社会福祉法人経営研究会(厚生労働省、全国社会福祉施設経営者協議会及び学識経験者で構成)は、今年1月から7回にわたる議論を取りまとめた報告書、「社会福祉法人経営の現状と課題」を公表しました。その概要をまとめてお知らせします。
(全国社会福祉施設経営者協議会ホームページ http://www.keieikyo.gr.jp/
 ○社会福祉法人制度は、1951年に創設以来、我が国の社会福祉の発展において多大な役割を果たしてきたが、半世紀以上経過し、法人を取り巻く環
  境は大きな変化が生じた。特に90年代以降、措置から契約へ、民間企業等の参入、公的財政の悪化、規制緩和等の変革が起こった。今後も、2015
  年問題(団塊世代の高齢期到達)、2025年問題(高齢者は3.5千万人、後期高齢者は倍増し2千万人)、独居世帯の増加など様々な福祉ニーズが
  生じると予測される。
 ○社会福祉法人は、この環境変化に的確に対応しつつ、新たな時代における福祉経営の確立が必要であるという共通認識に達し、この議論を基礎作業
  と位置づけ報告書を取りまとめた。今後の福祉経営の確立に向け、これをたたき台に広く議論が行われることを期待する。新たな時代における福祉経営
  の基本的方向性及び行政のあり方として、下表の5つの論点を掲げ、それぞれ検討課題を提案しており、提案事項は社会福祉法や既存の諸通知の改
  正に関係する事項もあり、厚労省はこれらの実現に向け、具体的に検討を進める意向。
 ○今年は公益法人制度が改革されたが、今後、社会福祉法人制度の改革が進められるものと思われる。

◇◆◇社会福祉法人経営研究会報告書の骨子◇◆◇
論点 検討課題
法人の規模の拡大、新たな参入と退出ルール ・複数事業を運営し多角的な経営を行える「規模の拡大」を目指す。新しい福祉・介護基盤の整備に当たっては、新規法人設立を当然の前提とせず、経営能力・ケアの質の確保の観点から既存法人の活用を考慮
・合併や事業譲渡、法人同士が連携・協業化の推進 
・質の低い法人・経営者は退出を誘導  (独)福祉医療機構等による経営診断・経営指導の強化
ガバナンスの確立・経営能力の向上 ・資金使途制限の緩和等による法人単位の資金管理により、経営の自由度を拡大
・公益事業の充実・活性化、収益事業の推進  理事会・法人本部の機能強化  中間管理職層の育成・確保
長期資金の調達 ・施設の老朽建替や新規投資のための長期・安定的な資金調達が課題  (独)福祉医療機構融資について償還期間の延長等融資条件の改善を検討  民間金融機関による融資の拡大、直接金融の可能性等も検討課題
人材育成と確保 ・介護従事者の質の向上  介護報酬上の評価  キャリアパスの形成
・マッチングシステムの強化  雇用管理の改善  労働生産性の向上
新しい福祉経営に向けた行政のあり方
・新たな福祉の「産業政策」の確立が急務であり、質の高い福祉の「担い手の育成」、「施設整備偏重型」行政から「経営の質重視型」行政へ  合理性に欠ける指導監督の見直し  行政職員の意識改革と質の向上

◆ 混合診療を「保険外併用療養費制度」に改編し拡充 〜厚生労働省が再編案を取りまとめ〜 ◆ 
◇厚労省は、規制緩和の要望を受け治験中の抗がん剤などを順次、特定療養費制度で混合診療(公的な医療保険が適用となる保険診療と適用されない保険外診療の併用を認めること)を例外的に対象にしてきたが、未承認薬から差額ベッドまで性格の異なる雑多なものが混在しているため、先に成立した医療制度改革関連法に、再編を盛り込んでいた。15日、その特定療養費制度を廃止し、「保険外併用療養費制度」に再編する案をまとめた。10月から導入する方針。

 ○「保険外併用療養費制度」は、混合診療の対象を、@医療技術(先進医療を想定)A医薬品・医療機器(未承認薬や承認医薬品を承認項目以
  外に使う適用外使用等)B快適・利便性(差額ベットや予約診察等) C医療機関の選択(紹介状のない大病院での初診料等)D 医療行為の選択
  (180日超の入院等)の5分野に分ける。
 ○@・Aは今後保険対象とするかを検討する「評価療養」と、B〜Dは保険導入を前提としない「選定療養」に大別し、治験中の未承認薬をさらに積極
  的に評価療法に編入などにより混合診療の拡充を図ることにしている。
 ○厚労省は「保険対象外の範囲が無制限とならないようにする」としているが、混合診療拡大に慎重な日本医師会等からは「5分野の区分をもっと具体化
  する必要がある」と警戒する声が出ている。 (2006年8月16日毎日新聞より)

◆ 公益法人への天下り規制強化 〜公益法人の設立許可及び指導監督基準を改正〜 ◆ 
◇政府は、公益法人の理事総数のうち、所管官庁出身者は3分の1以下の天下り理事の制限定義を定めている、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」等の一部改正を15日閣議決定をした。現行制限定義は、 @本省庁課長相当職以上を経験 A退職後10年未満の間に当該法人の理事に就任 などは制限されていた。今回の改正では、在職時の役職や退職後の経過年数等を問わず、原則として法人を所管する官庁において、常勤の職員として職務に従事した経験のある全ての者と厳格化した。今回の改正で、制限定義に抵触する法人は、約300法人増え、約800人の理事が削減対象となる見通し。今後、原則2年以内の早い時期に適合するよう強力に指導するとしている。
(2006年8月15日毎日新聞参照)