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◆ 障害者自立支援法10月施行最終案提示 〜厚生労働省が担当主管課長会議で報告、就労支援事業会計処理基準を創設〜 ◆ 
◇厚生労働省は、8月24日、障害保健福祉関係主管課長会議を開催し、障害者自立支援法の10月施行に向けて、事業者が新しい事業体系に円滑に移行できるよう、ケアホームの夜間支援体制の強化、入所施設における夜勤や強度行動障害者対応への評価、障害児施設の利用者負担の軽減などについて説明しました。
 ○ケアホームの夜間支援体制の強化については障害程度区分2と障害程度区分3の人も対象となり、それぞれ人数が10人以下の場合は1日24単位加
 算、11人以上の場合1人増えるごとに加算額は減り、21人〜30人の場合は1日1単位。
 ○夜勤支援体制については、定員50人夜勤職員2人の場合1日188単位、1人の場合138単位、宿直職員のみの場合99単位を算定する。また強度
 行動障害に関する加算措置については、現行制度と同様に、強度行動障害者1人につき1日505単位(生活介護サービス費Vに移行した場合)を加算す
 る。
 ○利用日数率の低い施設に従前の収入の8割を補償する3年間の激変緩和措置については、07年度が7割補償、08年度が6割補償となる予定であった
 が、07年度以降も8割補償を維持する。
 ○学齢期前の障害児の通所施設については、低所得世帯は当初案が月額1540円、市町村民税所得割額2万円未満の世帯は5100円。また、家庭連
 携加算も創設され、サービス利用計画に基づき、障害児通園施設、児童デイサービスの職員が保護者の了解を得て家庭を訪問し、児童や家庭を支援・
 指導した場合、月2回を限度に1回あたり1時間までは187単位、1時間を越える場合は280単位を算定できる。障害児入所施設については、福祉型施設
 の場合、児童が入院・帰省により施設にいない期間が6日までの場合1日320単位、7〜12日までは1日160単位を算定。更に12日間を越えて入院する
 児童に職員が支援した日数が6日までの場合561単位、7日以上の場合1122単位が入院時支援加算として1か月に1回算定。医療型施設は対象から外
 れる。(週間福祉新聞:2006年9月4日第2307号より抜粋) 
 
◆ 前年度3.2%増の21兆6062億円 〜厚生労働省が07年度予算概算要求〜 ◆ 
◇厚生労働省は、8月25日、2007年度予算の概算要求をとりまとめ財務省に提出したが、政策的経費である一般会計要求額は06年度当初予算より6,645億円(3.2%)増の21兆6,062億円となりました。
 ○一般会計の概算要求額は、社会保障費(年金・医療等に係る経費)が前年度当初予算より5,288億円(2.7%)増の20兆1,623億円、義務的経費が
 28億円(0.5%)減の5,451億円、その他の経費が1,384億(18.2%)増の8,988億円。
 ○児童福祉関係では、人口減少社会の到来を踏まえた少子化対策の総合的な推進として、少子化の流れを変えるための働き方の見直しに150億円、
 フリーターなど若者の自立・就労対策に384億円、地域の子育て支援対策として待機児童ゼロ作戦を推進するため民間保育所の施設整備や運営費・
 多様な保育サービスの拡充などに4,184億円、母子保健医療の充実に302億円、児童虐待への対応など要保護児童対策等の充実に799億円、母子
 家庭等自立支援対策の推進に1,647億円、児童手当国庫負担金は2,367億円を計上。
  新規事業では、@長時間労働の抑制等仕事と生活の調和を図るため労働時間法制の見直しをする。A「放課後子どもプラン」制度を創設し、原則と
 して全ての小学校区で放課後児童の活動場所の確保を図る。B児童養護施設等を退所する児童やDV被害を受けた女性が安心して就職や住居を借
 用できるよう身元保証人確保事業を実施する。C母子家庭の養育費の取決め・調停のサポートや相談機関の業務支援等を行う「養育費相談・支援
 センター」を創設する。
 ○高齢者福祉関係では、良質な介護サービス・介護保険制度の着実な実施と認知症・孤立死防止対策等の推進に2兆1,725億円、いくつになっても働
 ける社会の実現に673億円、持続可能で安心できる年金制度の構築に6兆9,128億円、年金制度の運営の確保等に4,957億円を計上した。
  新規事業では、@都市部を中心に増加している高齢者などの孤立死を防止する「孤立死ゼロ・プロジェクト」を展開する。A「70歳まで働ける企業」の
 普及促進を図るため先進事例の収集・情報提供や事業主団体等による高齢者の雇用に向けた取組等を支援する。
 ○障害者福祉関係では、自立した地域生活支援施策の推進に9,038億円、発達障害者支援施策の拡充に12億円、職業的自立に向けた就労支援の
 総合的推進に148億円を計上。新規事業では、@福祉施設で働く障害者の工賃を今後5年間で倍増させる「工賃倍増計画」を各都道府県が策定した
 施策の促進を図る。A発達障害者への支援策として、有効な支援手法を開発・確立する「支援開発事業」を創設するとともに、幅広い普及啓発活動を
 行う「発達障害対策情報センター」を新設する。Bコミュニケーションに支援が必要な若年障害者を対象にした就職支援プログラムの実施や医療機関との
 連携による精神障害者の就労支援を実施する。
 ○福祉関係ではこのほか、自立支援に重点をおいた生活保護制度の適正な実施に2兆628億円などを要求。
 ○去る7月21日、閣議了解された国全体の2007年一般会計予算概算要求基準の総額は、46.8兆円(前年度当初予算46.4兆円)程度としている。厚
 生労働省については、年金・医療は7700億円の自然増に対し2200億円の削減、児童手当にかかる経費や基礎年金の国庫負担引上等は今年末に予
 定されている政府予算編成までに調整するとしており、原案の決定までに紆余曲折が予測される。