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◆ 障害者自立支援法見直し機運 〜自民党障害者団体からヒアリング開催〜 ◆ 
 ○政府は本年10月から障害者両立支援法の施行に伴い、障害者が障害福祉サービスや障害児が障害児施設支援を受けたときに要する費用に係る自
 己負担の額については、その経済的負担の軽減を図るため、当分の間現行の一割負担を凍結し、障害児・者等又はその扶養義務者のうち政令で定める
 ものの負担能力に応じたものとすること等のため10月11日「障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案」を開会中の第165国会に提
 出した。
○他方障害者自立支援法の利用者負担やサービス体系の見直しを求め、10月31日、日本障害者協議会・全日本ろうあ連盟等が組織するフオーラム実
 行委員会が主催し「出直してよ!『障害者自立支援法』大フォーラム」が都内で開催され、全国の障害者やその家族・関係者など約15,000人が参加した。
 参加者は、@障害者関連予算の見積りをやり直す A原則1割の応益負担を中止する Bサービスの社会基盤整備を拡充する などのアピール文を採択
 し、国会議事堂方面等にデモ行進が行なわれた。(2006年11月6日 第2315号 週刊福祉新聞参照)
 ○これら障害者自立支援法の見直しを求める障害者や家族、事業者の要請が高まる中、国会では10月25日と翌26日に衆・参議院において厚生労働
 委員会が開催され、同法についての質疑が行われた。民主党は27日、厚生労働省が23日に公表した自立支援法の実施状況調査結果で「自立支援法
 によるサービスの利用中止は0.39%」等とした点について「調査結果は実態を反映しているとはいえない」などとして、実態把握のための全国調査の実施と
 「障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案」の審議を早急に行うことを要望した。
 ○一方、政府・自民党は、24日と11月1日、同党の障害者福祉委員会を開き、日本身体障害者団体連合会・日本盲人会連合・日本知的障害者
 福祉協会・全国精神障害者社会復帰施設協会等からヒアリングを行い「新しい法律が障害者と家族にとって評価されるよう、政権与党として何ができるの
 か検討したい」とし、今後週1回ペースで委員会を開き、来年度予算編成などにあわせ、新たな対策を講じる考えを示している。
 
◆ パート労働者の厚生年金加入段階的に拡大 〜政府・与党「勤続年数1年以上」など新条件で調整開始〜 ◆
◇政府・与党は11月23日、厚生年金の適用拡大の対象となるパート労働者について、新たに、@勤続年数が1年以上 A標準報酬月額が9万8千円以上を条件とする方向で調整に入り、早ければ年内に具体案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出したい考え。
(2006年11月24日 読売新聞から抜粋)
 ○週の労働時間が「30時間以上」は、既に厚生年金の対象となっている。正社員との格差解消などのため、「20時間以上」に拡大することにしているが、
 対象が広がりすぎて企業負担が過重にならないよう、勤続年数や月収を条件に加え、最終的にはより正社員に近いパートだけに絞り込む方針。
 ○パート労働者は現在、1,000万人程度と見られる。「20時間以上」への拡大で、このうち300万人程度が新たに厚生年金の対象になると見られるが、厚
 生労働省は、「勤続1年以上」などの条件を加えることで、100万人程度の増加に抑えられると試算している。また、勤続年数や月収が条件を満たしていな
 い場合でも、売り場責任者など、実態として正社員と同じ働きをしているパートについては、適用対象に加える救済措置を設ける方針。
 ○政府は、2004年の年金改革でも、対象を週20時間以上に拡大する案を示したが、企業側がパートの保険料負担の増加などに強く反対したことから、
 5年後に再検討するとして導入が見送られた経緯がある。このため、今回は、経済界への配慮から、対象の絞込みに加えて、従業員300人以下の中小企
 業への摘要拡大は見送る方針。
 
◆ 社会保障給付過去最高 〜04年度85兆6,469億円・高齢分野が半数占める〜 ◆ 
◇国立社会保障・人口問題研究所は、2004年度の年金・医療・福祉など社会保障分野に支払われた給付費は過去最高の85兆6,469億円(前年度比1.6%増)になったことを公表した。
 ○国民所得に占める割合は23.7%(同0.2%増)で、1人当たりの給付費は67万800円(同1.6%増)となった。
 ○分野別の内訳は「年金」が前年度に比べ1.6%増の45兆5,188億円(全体の53.1%)で、「医療」が2.0%増の27兆1,537億円(31.7%)、「福祉その他」
 が0.8%増の12兆9,744億円(15.1%)となった。「福祉その他」のうち「介護対策」は5兆6,289億円(6.6%)だった。
 ○機能別給付は「高齢」が43億1,922億円(全体の50.4%)と最も多く、「保健医療」が26兆5,466億円(31.0%)と続き、この二つの機能で全体の8割を超
 えている。これ以外では「遺族」が6兆2,527億円(7.3%)、「家族」が2兆6,494億円(3.1%)、「生活保護その他」が2兆2,993億円(2.7%)などとなっている。
 ○一方、04年度の社会保障財源の収入総額は93兆206億円(前年度比8.1%減)で、その内訳は「社会保険料」が53兆7,541億円(全体の57.8%)、
 「税」が28兆6,369億円(30.8%)、「その他収入」が10兆6,296億円(11.4%)。
(2006年11月6日 第2315号 週刊福祉新聞から抜粋)