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◆ 社会保障過去最高の21兆1,409億円 〜2007年度国家予算案を決定〜 ◆ 

◇政府は、昨年12月24日臨時閣議を開き2007年度国家予算案を決定した。一般会計の総額82兆9,088億(対前年当初予算比4.0%増)のうち政策経費46兆9,783億円(1.3%増)で、このうち社会保障関係費は21兆1,409億円(2.8%増)と一般歳出の45%を占め過去最高を更新した。(週刊福祉新聞 2007年1月1日第2322号から抜粋)
○社会保障関係費の内訳は、厚生労働省所管分は20兆9,659億円で他省分は1,750億円。厚労省の分野別内訳は、医療が8兆4,285億円(3.3%増)
 年金7兆305億円(5.6%増)介護1兆9,485億円(1.8%増)福祉等3兆3,371億円(2.5%増)、雇用は2,213億円(48.8%減)となっている。社会保障関係
 費は、骨太の方針06で、5年間で1兆1,000億円(1年当たり2,200億円)の縮減が求められており、07年度は雇用保険の国庫負担削減で1,810億円、生
 活保護の3年で段階的に廃止する母子加算の見直し等で420億円を捻出した。
○少子化対策関係では、「子ども・子育て応援プラン」「新しい少子化対策について」を踏まえた対策の推進に1,773億円増の1兆4,873億円を計上し、子育
 てと仕事の両立する働き方の見直しや保育所の待機児ゼロ作戦など地域子育て支援の充実、児童虐待防止等要保護児童対策の促進などを柱にして
 いる。また、児童手当支給額のうち、3歳未満児の第1・2子の支給月額を5,000円増の1万円とするための恒久的な財源確保については別途検討すること
 としている。
○高齢者福祉関係では、介護保険制度の着実な実施と孤立死防止対策などに322億円増の2兆718億円計上。介護給付の適正化や孤立死ゼロプロ
 ジェクトに取り組む。
○障害者福祉関係では、自立生活支援策の推進などに868億円増の8,995億円を計上。良質な障害福祉サービスを確保するとともに福祉施設で働く障
 害者の工賃水準の引き上げ、発達障害支援施策を拡充する。
○その他、持続可能で安心できる年金制度の構築に7兆187億円、健康フロンテティア戦略の推進に1,422億円、フリーターやニートを含む若者の就労対策
 に310億円計上。生活保護関係は、母子加算の見直しのほか、所有不動産を担保とした要保護世帯向け長期生活支援資金貸付制度を創設し、生
 活保護より優先摘用させることとしている。
○2007年度国家予算案は、1月25日に開催予定の第166回通常国家において審議されるが、今年は統一地方選挙や参議院議員の改選選挙が実施さ
 れるため、野党各会派はこれらを配慮した前小泉内閣が取り組んだ三位一体改革の後退予算案であるなどと批判しており、成立までには紆余曲折が予
 測される。