◆ 日本の保育サービス利用率は仏の半分
〜厚労省「基本戦略分科会」に資料提示〜
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◇内閣府の特別な機関である少子化社会対策会議が決定した「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の策定方針に基づき、戦略の策定を目的として
設置された「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議の「基本戦略分科会」が4月11日に開催され、厚生労働省はこの会議に諸外国の少子
化対策に関する資料を提示して説明しました。
○先進国の少子化を巡る現状について下表のとおりその概要を提示しているが、保育所の利用率は日本とドイツが20%、14%と低く、少子化の進展を判
断する指標の一つである合計特殊出生率も1.26、1.34と低い状況にある。
○他方、フランスは90年代に一旦1.7を下回ったがその後急速に回復し、国が認定する保育ママなど利用できるサービスが多く、2歳までの子どもの42%が
利用しており、06年の出生率は2.00となった。
同国は、03年時点で子どもの就学前の教育や保育に約2兆8千億円を支出しており、人口が多い日本の05年時点に換算すると約4兆1千億円に相
当するが、日本の実績は1兆6千億円強。またフランスの家族関係社会支出額は約7兆1千億円強で、日本に換算すると10兆6千億円に相当するが日
本の実績は3兆7千億円で約3倍に達する。
○委員からは、巨額の財政負担が必要となるので、少子化対策に効果が大きい施策に集中すべきとの意見があり、今後施策の取捨選択が議論されると
ものと思われる。 (参考:2007年4月12日読売新聞)
先進国の少子化を巡る現状
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日本 |
フランス |
スウェーデン |
ドイツ |
合計特殊出生率(06年) |
1.26(05年) |
2.00 |
1.85 |
1.34(05年) |
GDPに対する少子化対策費の比率%(03年) |
0.75 |
3.02 |
3.54 |
2.01 |
年間の平均労働時間(05年) |
1.775時間 |
1.535時間 |
1.587時間 |
1.435時間 |
保育サービスの利用率%(06年) |
20 |
42(04年) |
44(04年) |
14 |
◆ 平成17年度介護保険事業状況報告 〜厚労省平成17年度年報を公表〜
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◇厚生労働省は、平成17年度介護保険事業の年報を公表しましたが、その年報の概要を掲載します。
○第1号被保険者の状況
1被保険者のいる世帯数は、平成17年度末(平成18年3月末)で1,854万世帯となり、前年度末1,801万世帯に比べ53万世帯(3%)増となった。
2平成17年度末の被保険者数は2,588万人となり、そのうち、前期高齢者(65歳〜75歳未満)は1,412万人、後期高齢者(75歳以上)は1,175万人で、
第1号被保険者に占める割合はそれぞれ54.6%、45.4%であり、前年度末に比べ前期高齢者は25万人(1.8%)増、後期高齢者は51万人(4.6%)増
で計77万人(3.1%)増となった。
○要介護(要支援)認定者の状況
1平成17年度末の認定者数は432万人で、うち第1号被保険者は418万人、第2号被保険者は15万人であり、前年度末に比べ第1号被保険者23万
人(5.9%)増、第2号被保険者0.5万人(3.5%)増となった。
2認定者を要介護度別にみると、要支援は72万人、要介護1は142万人、要介護2は64万人、要介護3は55万人、要介護4は52万人、要介護5は46
万人となり、要介護度が軽度(要支援〜要介護2)の認定者が約64.4%を占めている
○居宅介護(支援)サービス受給者は、平成17年度累計(17年3月〜18年2月)の総数は3,100万人(延人月)で、このうち、第1号被保険者数は2,987
万人、第2号被保険者は112万人となった。1ヶ月当たりの平均でみると総数で258万人となり、前年度240万人に比べ18万人(7.5%)増となった。
○施設介護サービス受給者数は、平成17年度累計の総数は944万人(延人月)、うち第1号被保険者数は928万人、第2号被保険者は16万人となっ
た。1ヶ月当たりの平均の総数は79万人で、うち介護老人福祉施設37万人(前年度より1.7万人・4.9%増)、介護老人保健施設29万人(同1.2万人・
4.5%増)、介護療養型医療施設13万人(同0.6万人・4.8%減)となった。
○保険給付関係の平成17年度累計の総数は、件数9,828万件、単位数5,836億単位、費用額6兆3,109億円で、利用者負担を除いた給付費は5兆
6,582億円となった。給付費の内訳をみると、居宅介護(支援)サービスは2兆9,370億円(51.9%)、施設介護サービスは2兆7,212億円(48.1%)となっ
た。