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◆ 前年度3.2%増の22兆1,604億円 〜厚生労働省が08年度予算概算要求〜 ◆

◇厚生労働省は、8月28日、2008年度予算の概算要求を財務省に提出しましたが、政策的経費である一般会計要求額は07年度当初予
    算より6,835億円(3.2%)増の22兆1,604億円となりました。(07.9.11 週刊福祉新聞を参照下さい。)
 ○概算要求額は、年金・医療等に係る経費(社会保障費)が前年度当初予算より4,214億円(2.1%)増の20兆6,123億円、義務的経費  
      が606億円(11.3%)増の5,965億円、その他の経費が1,856億(27.6%)増の8,587億円。
 ○雇用均等・児童家庭局は、前年度より386億円増の9,713億円を計上。このうち要求主要事項は、
      1 地域の子育て支援の推進に6,888億円を計上し、重点施策として、
          @待機児童ゼロ作戦の推進など民間保育所の施設整備や運営費、多様な保育サービスの拡充等に3,949億円
          A地域の子育てコーデイネーターやネットワーク構成員の専門性の強化を図る「子どもを守る地域ネットワーク機能強化事業」や企業を
             含めた地域ぐるみで取り組む「地域の子育て支援向上事業」等の新規事業の実施など地域子育て支援対策の充実に767億円
          B 原則として全ての小学校区で放課後児童の活動場所を確保する「放課後子どもプラン」の着実な推進に188億円などを要求。 
      2 児童虐待への対応など要保護児童対策等を推進するため、里親制度の拡充や配偶者からの暴力対策に863億円計上。 
      3 母子家庭等の総合的な自立支援や技能訓練事業等の推進のため母子家庭等自立支援対策の推進に1,710億円計上。
 ○社会・援護局は、前年度より333億円増の2兆951億円を計上。このうち要求主要事項は、
      1 療養病床のケアハウス及び介護老人保健施設等への転換の融資条件の緩和や過去に療養病床の整備に要した債務に係る民間金
          融機関から福祉医療機構への借換など同機構への貸付事業等資金として3,404億円計上。
      2 新規事業は、@県内に会計士等で構成する協議会をモデル的に設け効率的な経営などが必要な社会福祉法人の支援方策を検討
          する「社会福祉法人経営支援事業」 A地域福祉活動を調整するコミュニティーソーシャルワーカーを市町村に配置し拠点づくりや見守
          り活動等の事業を支援する「少地域福祉活性化事業」  などを要求。
      3 母子加算を07年度から3年間で段階的に廃止など自立支援に重点をおいた生活保護費等2兆48億円を計上。
 ○老健局は、前年度より161億円増の1兆6,858億円を計上。このうち要求主要事項は
 
      1 都市部の急速な高齢化に伴う介護サービス拠点として「高齢者安心住空間整備事業」の創設など介護基盤の整備に523億円、介護  
         給付適正化対策等の推進に140億円、親健康フロンティア戦略の推進に796億円を計上
      2 安定的効率的な介護保険制度の運営に2兆292億円、介護給付費6兆8,363億円、国庫負担総額1兆9,590億円を要求。
   ○障害保健福祉部は、前年度より527億円増の9,532億円を計上。このうち要求主要事項は、
      1 障害者の自立生活を支援する施策を推進するため、良質な障害福祉サービスの確保に4,882億円、障害児施設にかかる給付費等の  
         確保に636億円、地域生活支援事業の着実な実施に450億円等を計上。
      2 新規事業では、@精神障害者の地域移行を支援するため、「精神障害者地域移行支援特別対策事業」に25億円  A認知症の専
          門的な医療供給体制を強化する「認知症疾患医療センター運営事業」に2億円などを要求。

◆ 高額医療・高額介護合算制度導入 〜厚生労働省、08年4月から実施〜 ◆

厚労省は、医療と介護保険制度を利用する同一世帯の自己負担が重くなりすぎないようにするため、政令を10月に公布し、「高額医療・高額介
  護合算制度」を導入し、08年4月から実施する方針を決定しました。
 ○現行制度は、医療と介護のそれぞれに限度額を定めているため、同一世帯に介護保険の利用者と長期入院者がいる場合、双方の限度
      額を足し合わせた高い額を負担しなければならないという欠点があった。

 ○新制度は、利用する制度ごとでなく、世帯単位で限度額を設定し、限度額を超過した自己負担額は国保や健保組合等の各健康保険や介護保
     険の財源から拠出することとし、同省は当面いまの財源で吸収できる規模とみている。
 ○同省は、医療コストの削減や要介護者の減少などの施策を進めているが、高齢化が一段と進行している中、医療や介護に係る費用は増加す
     ることが確実で、新制度の追加財源が増大すれば中長期的には医療や介護の保険料の引き上げにつながる可能性もある。