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◆ 障害者権利条約に署名 〜外務大臣、9月28日国連本部で〜 ◆
◇政府の外務大臣は、9月28日、ニューヨークの国連本部で、06年12月13日国連総会本会議で採択された「障害者の権利に関する条約」に署名した。条約は、07年3月30日以降各国政府による署名と批准が始まり、20か国が批准すると発効するが、今年9月28日現在署名したのは113か国で、批准したのは5か国に止まっている。 ○同条約は政府により仮訳されているが、締結国の一般的義務として第4条には、「締結国は、障害を理由とするいか なる差別もなしに、すべての障害 者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進することを約束する。このため、締結国は、次のことを約束する。」として、「障 害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止」・「個人、団体又は民間企業による障害を理由とする差別を撤廃」す るためのすべての適切な措置をとることなどが規定されている。 ○条約の署名とは、国がその趣旨に賛同する行為で、今後は批准に向けた国内法制度の改正や新法の制定等行い、条約の規定を実体化させる必要 がある。このため政府は、外務省、内閣府、厚生労働省、文部科学省など関係省庁で構成する「障害者権利条約にかかる対応推進チーム」を設定し 検討することとしている。 ○公開された政府仮訳によると、これまで障害者団体などが主張してきた解釈・翻訳と異なる部分が多く、
1 条約の一般原則(第3条)には「社会への完全かつ効果的な参加とインクルージョン」が掲げられているが、政府はインクルージョン(包含、包摂)という
単語を「社会に受け入れられていること」と翻訳。
2 「インクルーシブな教育制度」(第24条)を「障害者を包容する教育制度」と翻訳。
3 「自立した生活と地域社会へのインクルージョン」(第19条)も「自立した生活と地域社会に受け入れられること」などと翻訳している。
障害者を権利の主体としてとらえ直した点が条約のポイントであるだけに、政府仮訳には障害者者団体等から異論が提議されると思われる。
(07.10.8 第2359号 週刊福祉新聞 から一部抜粋) ◆ 社会保障3部分野、最大29兆円不足 〜内閣府が将来試算を提示〜 ◆ ◇内閣府は、10月17日に開催された経済財政諮問会議に、年金と医療及び介護の社会保障3分野の給付と負担に関する将来試算を提示した。(07.10.18 読売新聞 から抜粋。) ○政府目標で示した最大2011年までに歳出を14.3兆円削減したものとし、2025年度に、@給付を維持し負担を3割増 A給付を3割減らし負担を維持 B消費税の上げ幅は1%当たり2.5兆円 と仮定して、それぞれ高成長(国内総生産〈GDP〉の名目成長率3.2%)と低成長(名目成長率2.1%)の場 合の増税必要額と消費税率の上げ幅を試算した。 ○増税必要額は8兆円〜29兆円程度不足し、消費税率の上げ幅についても現行5%から8%〜17%程度引き上げる必要があると試算している。歳出増 への圧力が高まって歳出削減が進まなければ、財源不足は、最大31兆円になるとの試算も合わせて提示した。
◆ 保育所待機児童4年連続減少 〜厚労省調査、か所数・利用児童は増加〜 ◆
◇厚生労働省は、このほど4月1日現在の保育所の状況調査を公表した。
○保育所施設等の状況
@保育所施設数は、前年同月より149か所(0.7%)増の22,848か所。
A定員は、前年より26,028人(1.3%)増の2,105,434人。
B利用児童数は、前年より11,772人(0.6%)増の2,015,382人。
C定員充足率は、前年より0.6ポイント減の95.7%。
となっている
○待機児童の状況 @待機児童数は前年同月より1,868人少ない17,926人で、4年連続で減少。
A年齢別区分の待機児童は、0歳児が2,069人(12%)、1〜2歳児が10,873人(61%)、3歳以上児が4,984人(28%)で、0〜2歳児が72%を占める。
B待機児童がいる市区町村数は前年より8減の368で、保育計画を策定しなければならない待機児童が50人以上の市区町村は74。
C都市部の待機児童として、首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)、近畿圏(京都、大阪、兵庫)の7都 府県及びその他の政令指定都市・中核市
の合計を見ると13,437人となり、全待機児童の75%を占める。
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