◇ 障害者自立支援法改正法案を提出 〜政府、3月31日に〜
○障害者自立支援法の改正法案が、3月31日に政府において閣議決定され、国会に提出されました。
法律案の要綱の中では、改正の趣旨として「障害者及び障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるようにするための支援の一層の充実を図るため、利用者負担の見直し、障害者及び障害程度区分に関する定義規定の見直し、相談支援の充実、障害児支援の強化、地域における自立した生活のための支援の充実等制度全般について所要の見直しを行うこと」を掲げ、具体的に下記の点について見直すことを打ち出しています。
@利用者負担の見直し
・「応能負担」を法律上においても明確化
→障害福祉サービスを利用した場合の利用者の負担について、現行では法律上は原則1割負担とした上で負担軽減策が取られているが、こ
れを家計の負担能力に応じたものとすることを原則として、法律上も「応能負担」を明確化(ただしサービス利用料が少なく、1割負担の方が
低い場合は1割)。
・高額障害福祉サービス費を補装具と合算し、利用者の負担を軽減
→障害福祉サービスと補装具の利用者負担の上限額が別々に設定され、両方を必要とする人の負担が重くなる問題を解決するため。
A障害者の範囲及び障害程度区分の見直し
・障害者の範囲の見直し
→発達障害は概念上は精神障害に含まれるものの、現行ではそれが明確にされておらず、障害者自立支援法のサービスをより受けやすくす
る観点から、障害者の定義に、発達障害者が障害者の範囲に含まれることを明確化。あわせて、高次脳機能障害も対象となることを通知等
で明確にする。
・「障害程度区分」の見直し
→障害程度区分の定義について、「当該障害者等の心身の状態を総合的に示すもの」という表記を「障害者等の障害の多様な特性その他の
心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの」と改め、名称も「障害支援区分」と改める。
B相談支援の充実
・地域における相談支援体制の強化を図るため、中心となる総合的な相談支援センターを市町村に設置。
・地方公共団体は関係機関、関係団体及び障害者等の福祉、医療、教育又は雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者から構成され
る自立支援協議会を置くことができることとし、自治体が単独でまたは共同して障害者等への支援を行う体制の整備を図る。
・支給決定前にサービス利用計画案を作成し、支給決定の参考となるよう見直し。計画作成の対象者も大幅に拡大する(現行では重度障害者等
に限られる)。
C障害児支援の強化
・児童福祉法を一部改正し、障害種別に分かれている現行の児童福祉施設を障害児入所施設(入所)と児童発達支援センター(通所)にそれぞ
れ一元化。
・学齢期における支援の充実のための「放課後等デイサービス事業」を創設。
D地域における自立した支援のための支援の充実
・グループホーム・ケアホーム利用者への支援(利用に伴い必要となる費用の助成)を創設。
・これまで地域生活支援事業の中で行われるのみだった重度の視覚障害者の移動支援についても自立支援給付の対象とする。