待機児童の多い自治体
★★★’09.6.29の朝日新聞は、右表のように待機児童が多い自治体を報じました。これによりますと、首都圏を中心に待機児童が急増しており、4月1日時点で、県庁所在市や東京23区など94市区で計14,478人、前年比で3割程度増えているとしています。
保育所の役割が時代の変遷とともに「就労支援」的な側面が強くなり、昨年来の景気悪化により、パート等で働き始める専業主婦が増えていることも影響しているとしています。
東京都内で一番待機児童が多い世田谷区によると、昨年度の予算措置の枠組みの中で待機児童の解消に努めていたが、予想以上に増加したとのこと。
安心こども基金を財源とする予算措置を実行し、今年度中に保育所の増設等の対応により、整備を進め、待機児童の解消を図っていきたいとしています。
なお、整備の方法としては、土地については、公有地等を利用し、建物自体を社会福祉法人等の民間事業者が安心子ども基金、自己資金等を財源に建設するというスキームで進めていくとのことです。
自治体名
待機児童数
前年比増加率%
横浜市
1,290
82%
川崎市
713
22%
仙台市 620 △16%
東京都世田谷区 613
83%
大阪市 608 △13%
名古屋市 約600
40%
神戸市 483
△1%
東京都板橋区
481
104%
福岡市 473
56%
神奈川県相模原市
439
44%
東京都練馬区
429 69%
東京都足立区
418
104%
札幌市 402
48%
鹿児島市
359
83%
堺市
345
11%
千葉市 318
△5%
東京都大田区
314
30%
東京都江東区
312
42%
東京都港区 263
57%
大阪府東大阪市 246
58%
介護福祉士等現況把握調査結果
090508号のFAX NEWSでは、介護分野で働く職員の待遇改善のため、介護報酬の3.0%のプラス改定並びに国の4,000億円の拠出による都道府県への基金設置についてお知らせ致しました。
今回のFAX NEWSでは、このほど、(財)社会福祉振興・試験センターが、介護福祉士等現況把握調査結果として、職員の意識調査を取りまとめましたので、これについてご案内いたします。政府が待遇改善のための基金設置等の施策を打ち出した背景を伺うことができます。
調査対象は社会福祉士、介護福祉士および精神保健福祉士の有資格者の308,583人で186,379人から回答を得たとしています。(有効回収率60.4%)
表1は、有資格者の就労分野を表しています。有資格者でありながら、福祉・介護分野で働いていない、いわゆる潜在的有資格者は43,399人(23.3%)となっています。表2では就労環境の改善要望事項を挙げており(上位回答を抜粋)、やはり給与に関して改善を求める声が多くなっています。またこの裏返しで表には掲記していませんが、福祉・介護の仕事を辞めた理由のトップは「給与等の労働条件が悪いため」となっています。
表1(就労分野) |
合計
(N=186,379) |
社会福祉士
(N=266,624) |
介護福祉士
(N=152,564) |
精神保健福祉士
(N=7,191) |
福祉・介護分野 |
76.7% |
71.7% |
78.7% |
53.0% |
他分野 |
8.5% |
15.2% |
6.0% |
35.0% |
非就労 |
14.8% |
13.0% |
15.3% |
12.0% |
表2(改善してほしいこと) |
社会福祉士 |
介護福祉士 |
精神保健福祉市 |
資格に見合った給与水準 |
52.5% |
60.7% |
46.4% |
経験に見合った給与体系 |
27.6% |
40.6% |
29.2% |
事務作業の効率化 |
13.0% |
15.3% |
12.0% |