◇東京都、社会福祉法人再編のための基準策定へ◇
◆東京都は社会福祉法人の事業再編に取り組むと発表しました。
社会福祉法人の経営の健全度を測る独自の基準を設け、経営不
振の法人に合併や事業譲渡の受け皿を紹介する制度を2011年度
に導入する予定で、学識経験者や公認会計士等で構成する「社
会福祉法人経営適正化検討会」を設置しました。小規模の社会
福祉法人の経営を改善し、利用者に影響が出る事態を未然に防
ぐ狙いで、売上高人件費比率、負債比率など法人の財務状況や
組織運営の適正さを見極める基準を検討し、2009年度中に試案
を作る予定としています。(参考:8月22日日経新聞)
◆社会福祉法人の経営健全化・合併推進の動きは、昨年度当初
より厚生労働省も注力することを各会議等の中で発表しており、
「財務分析」は社会福祉法人経営の改善への取組における一つ
のキーワードとなっています。しかし現状では社会福祉法人に
おける財務分析手法が確立されていないため、関係機関等にお
いても試行錯誤が続けられています。東京都がどのような基準
を策定するのかということと同時に、今後他の道府県における
取組も注目されます。
各県でも指導監査方法の見直しへ
◆かねてより厚生労働省の通知の中で、社会福祉
法人に対する指導監査手法について、外部監査の
活用と監査の簡略化についての方針が示されてい
ますが、今回徳島県での取組について会員の川人
事務所様(観ネジメント・スタッフ様)より情報提供を
いただきましたので、併せてお知らせします。
<徳島県の通知より抜粋>
(前略)問題が認められない法人が外部監査を活用
した場合において、その結果等に基づき法人の財
務状況の透明性・適正性が確保されていると認め
られるとき、(中略)実地監査を4年に1回とする。
※ただし、法人が苦情解決に取り組み且つ第三者
評価受審・結果公表、ISO9001の認証取得のいず
れかを満たしている場合。(事務局注)
◇苦情解決制度に寄せられた苦情、9年で18,292件◇
◆平成12年に創設された苦情解決制度は、各社会福祉施設
においても設置が義務付けられていますが、このたび全国
社会福祉協議会(全社協)から「都道府県運営適正化委員
会における苦情受付・解決状況等について明らかにするた
め、定期に実施した」とされる調査の集計結果が公表され
ました。その概要は次のような内容となっています。
@苦情件数
⇒平成20年度件数2,554件、前年度比36件増
A都道府県別
⇒東京都431件、大阪府198件、福岡県119件、
千葉県114件、北海道106件の順
Bサービス分野別
⇒障害43.8%、高齢38.8%、児童8.6%の順
C苦情申立人の属性
⇒家族51.9%、利用者32.1%、職員7.8%の順
D苦情の種類
⇒職員の接遇30.2%、サービスの質や量20.9%、説明・情報提供15.2%の順。ほかに被害・損害、権利侵害,利用料など。
◇衆院選における主要政党の福祉マニフェスト◇
◆あさって30日は、衆議院選挙です。そこで、主要各党のマニフェストから、福祉関連の事項について
ピックアップしてみました。介護分野では各党とも
ほぼ「介護報酬の引上げによる職員処遇の改善」が
合言葉になっているほか、児童の分野でも課題は同様のものと捉えられているようです。対して障害分野では各党での主張の相違が見られます。
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自民党
| 民主党
| 社民党
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介護 |
介護報酬引上げ、全戸訪問調査等による虐待・孤立化解消支援 等 |
介護報酬引上げ、療養病床削減凍結、サービス量の確保 等 |
医療保険・介護保険の保険料、利用料軽減、療養病床削減・リハビリ制限の凍結 |
児童 |
3年目からの幼児教育費無償化、地方保育所の定員割対策、ひとり親家庭支援 等 |
月額26,000円の子ども手当、生活保護の母子加算復活、保育ママ増員、認可保育所増設 等 |
子ども医療費無償化、月額10,000円の子ども手当、学童保育増設・無償化、父子家庭の児童扶養手当 等 |
障害 |
障害者自立支援法改正案の成立、人材の処遇改善、就労支援強化 |
障害者自立支援法廃止 |
障害者自立支援法廃止、差別禁止法・虐待防止法の制定 |