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◇〜幼保統合「こども園」へ〜◇
◆4月27日、政府は「子ども・子育て新システム検討会議」の第1回会合を開き、 子育て施策の財源と担当部局を一元化して効率的な運用を行っていくこととしました。 保育所と幼稚園は「こども園(仮称)」に統合していく方針とされ、保育指針と幼稚園教育要領を一本化した 「こども指針(仮称)」によって保育も教育も提供する施設と位置づけており、同時にNPOや企業など多様な事業者も施設運営に参入が可能とされました。 また、これまで認可保育所の利用は「保育に欠ける」児童に制限されていましたが、フルタイム労働者だけでなくパートや非正規労働者、 休職中の保護者でも利用できるようにし、市町村の関与のもとで利用者と事業者が「公的保育契約」を結ぶこととしています。 具体的には、すべての子どもの育ちを支援する基礎的な給付と親の就労状況に応じた多様な給付を保証する、両立支援・幼児教育給付の2階建て構造で、 基礎給付部分には現金給付として子ども手当、現物給付として一時預かり、地域子育て支援等が挙げられています。また両立支援・幼児教育給付部分には、 現金給付の育児休業給付等、現物給付の幼保一体給付が挙げられています。 また、子ども・子育て支援に関する権限と財源は市町村に移譲し、現金給付と現物給付の配分や給付内容の選択を市町村に任せ、市町村が自由に給付を行えるよう、 子ども関連の国庫補助負担金、育児休業給付などの労使拠出金を一本化した特別会計「子ども・子育て基金(仮称)」を創設することとし、 市町村に対しては児童数などに応じて包括的に交付する仕組みにすることとされています。また実施体制として、子ども家庭省(仮称)の創設も挙げられています。 幼稚園と保育所の一体化は日に日に現実味を帯びてきていますが、社会福祉法人の設置・運営する保育所を顧問先とする会計事務所にとっても注視していく必要があると考えられます。 (参考:読売新聞4月30日) ◇障害者の就職、増加へ ー医療・福祉が最多ー◇ ◆厚労省が5月7日に発表した「2009年度における障害者の就職紹介状況等」によると、ハローワークが昨年度にあっせんした障害者の就職件数は前年度比1.8%増の4万5,257件でした。増加は2年ぶりで、過去最高の07年度の4万,565人に次ぐ水準となりました。その内訳を産業別に見ると、医療・福祉への就職件数が8,041件(17.8%)と最も多く、次いで製造業が7,425件(16.4%)、卸売業・小売業が7,309件(16.1%)の順となっています。障害種別では、身体障害者が2万2,172件(前年度比2.0%減)で最も多くなっていますが、伸び率では発達障害者や難病者などその他の障害者が44.6%増(716件)と最も高く、精神障害者も15.6%増(1万929件)となっています。 また、09年度に解雇された障害者は15.1%減の2,354人と3年ぶりの減少で、解雇理由としては事業縮小が1,477人で最も多く、事業廃止が629人と続きました。新規の求職申込件数は5.1%増の12万5,888件で過去最高となりました。 (参考:キャリアブレイン5月7日) ◇通知「保育所の設置認可について」が一部改正◇ ◆先般「保育所の設置認可について」(平成12年3月30日児発第295号厚生省児童家庭局長通知)が一部改正されました。これまで社会福祉法人以外の者が保育所を経営する事業を行う場合であっても、社会福祉法人会計基準に定める計算書類の作成が求められていましたが、処理の簡素化を図る観点から、学校法人会計基準及び企業会計基準に基づき会計処理を行っている法人(学校法人、株式会社等)については、これまでの資金収支計算書等に代えて、それぞれの会計基準に基づいた計算書類等の作成が可能とされました。 本部にもご質問が寄せられていますが、対象は社会福祉法人会計基準以外の基準により会計処理をしている法人ですので、社会福祉法人が保育所を経営する場合には従来の社会福祉法人会計基準による処理方法に変更はありません。 ◇県雇用協会、業務委託打ち切り不適切な会計処理と判断◇ ◆厚労省所管の独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」の地方業務委託をめぐり、長妻昭厚労相は業務外の超過勤務手当の支出など不適切な会計処理が見つかったとして、埼玉や静岡など12道県の雇用開発協会に委託しないことを明らかにしました。 雇用開発協会は同支援機構傘下の公益法人で47都道府県にあり、支援機構は09年度まで厚労省OBの天下り先である協会側に随意契約で地方業務を発注しており、天下りの温床との批判を受けたため今年2月に初めて一般競争入札を実施しました。しかし47都道府県すべてで協会が落札したことから、厚労省は4月に47協会の立ち入り調査を実施した結果、12協会で不適切な会計経理や無駄遣いが見つかったとされています。 不適切な処理事例として、委託業務とは無関係の協会の総会準備などに超過勤務手当を支出(埼玉)、県の補助金を飲食に支出(静岡)、購入履歴はあるがパソコンなどの備品の現物が確認できない(神奈川、兵庫、岡山、香川)など、6項目が挙げられています。 既に機構の地方委託業務については、会計検査院の指摘を受けたことから中止し、11年度からは機構に直接行わせる方針がすでに決まっています。 厚労相は、12協会の今年度受注分については5月31日に再入札を実施し「応札がなければ同機構の直接実施を前倒しする」とし、最終的に12道県の協会が委託を受ける可能性はないとしました。 県雇用支援協会の会員数は593事務所あり、高年齢者や障害者の雇用促進の啓発活動などを行っていますが、収入の大半を占める同機構からの業務委託費がなくなれば運営が立ち行かなくなることから、解散する方向で検討しているとのことです。 (参考:毎日新聞5月12日)
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