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◇障害者自立支援法の廃止に伴うつなぎ法案、今国会で提出◇
 
  福祉サービス利用の原則1割を自己負担する障害者自立支援法の廃止をめぐり、新制度開始までの暫定的な現行法改正法案(以下「つなぎ改正法案」という。)が議員立法で国会に提出されることとなりました。障害が重いほど負担も重くなる「応益負担」から、支払能力に応じた「応能負担」にするほか、発達障害を同法の対象と明記するなどの内容となっています。以下につなぎ改正法案の概要をお示しいたします。  @ 利用者負担の見直し:現状の法律上では1割負担が原則となっていることから、これを応能負担を原則とするこ  とを明確化。また現在それぞれ別に設定されている障害者福祉サービスと補装具の利用者負担の上限額について  この二つを合算した上限額を設けて負担を軽減。  A 障害者の範囲と障害程度区分の見直し:発達障害は概念的に精神障害に含まれているが、法律上明確にされて  いないため、福祉サービスを受けやすくする観点から発達障害が障害者の範囲に含まれることを明記。    また現状の障害程度区分の名称と定義が分かりにくいため、名称を「障害支援区分」とし、定義についても障  害の多様な特性に応じて必要とされる支援の度合いを示すことを明確化。  B 相談支援の充実:相談支援センターを市町村の設置、自立支援協議会などに法的根拠を明確化。またサービス  利用計画の作成について対象者や支給決定のプロセスを見直し。  C 障害児支援の強化:障害種別等で分かれている現行の障害児施設(通所・入所)について一元化し、通所サービ  スについては市町村を実施主体とする。夏休みや放課後の児童の居場所確保のために「放課後等デイサービス事  業」を創設。18歳以上の障害児施設入所者について在園期間の延長措置を見直し。  D 地域における自立した生活のための支援の充実:グループホーム・ケアホーム入居者への支援を創設しサービ  ス利用に伴って必要となる費用の助成を実施。また重度の視覚障害者の移動支援についても地域での暮らしを支  援する観点から自立支援給付の対象とする。                  (厚生労働省HP:障害者自立支援法等の一部を改正する法律案・法律案概要)

◇新卒者体験雇用奨励金を拡充、最大16万円支給◇
 
 厚生労働省は、平成22年の2月より実施していた新卒者体験雇用奨励金の体験雇用の期間と奨励金の額を平成22年度の6月より拡充することとしました。  この奨励金事業は今年度の新卒者の就職状況の悪化を受けた対策で平成22年度末までの時限措置となっています。対象となるのは@平成21年10月から平成22年9月までに中学・高校・専門学校(各種学校を除く)・大学を卒業した40歳未満の者で、Aハローワークに求職登録をしており就職先が決定していない者です。この奨励金は要件に該当する者を事業主が31日間「体験雇用」という形(試用期間)で雇った場合に、一人につき8万円が事業主に支給されるものです。この場合体験雇用で雇い入れた事業主は、体験雇用開始の日から10日以内に「体験雇用実施計画書」の提出と体験雇用が終了した日から1ヶ月以内に「体験雇用結果報告書兼新卒者体験雇用奨励金支給申請書」を提出しなければなりません。  この制度について事業者等から「体験雇用」の期間が31日では短く正社員にふさわしいか判断できないとの意見もあり、6月から「体験雇用」の期間を3ヶ月間に延長し、さらに奨励金も1ヶ月目に80,000円、2ヶ月目、3ヶ月目にはそれぞれ40,000円支給と最大160,000円を支給することとなりました。支給対象となる事業者は一般企業だけでなく社会福祉法人も含まれます。  詳細については厚生労働省のホームページに掲載されています。新卒者などを雇用する予定がある場合は、ご活用をご検討されてもよいかと思われます。   (厚生労働省HP:新卒者体験雇用事業のご案内)

◇待機児童の解消に向けた政令市の取り組み状況について◇
 
平成22年度以降の待機児童解消に関する行動計画について、各政令指定都市の取り組み例についてご紹介します。 【千葉市】既存施設の有効活用を方針の柱の一つとする新たな整備計画「待機児童解消に向けたアクションプラン2010」を策定し、平成25年度までに認可保育所定員を1,609人、認可外保育施設定員を820人の合計2,429人に定員を増やすことで待機児童の解消を図る。 【横浜市】「かがやけ横浜こども青少年プラン」を策定し26年度末までに認可保育所、横浜保育室、家庭的保育、幼稚園預かり保育、事業所内保育施設それぞれの定員を合計で約8,100名に増やす。 【名古屋市】「名古屋子ども子育てワクワクプラン」で平成26年度までに3歳未満児に重点を置き現状の保育サービス提供割合18.5%から24%に拡充し、待機児童数(510人)の解消を図る。 【静岡市】3歳以上児の定員は、園児の減少を考慮して現状より1,500人の減とする一方で、3歳未満児については現状より110人の増を図り、定員超過で入所できない児童について静岡市待機児童センターを創設することで児童を一時的に預かる準備を促進する。  関東圏や名古屋などの大都市では定員増を図る動きがみられますが、例に挙げた静岡市などのそれ以外の都市では園児の減少があるなど各都市の人口によって待機児童対策にも差が見られます。(参考:千葉市・横浜市・名古屋市・静岡市各HP、遊育5月10日号)