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◇率5.1%失業、有効求人倍率0.48% ともに悪化◇
 
 総務省が5月28日に発表した4月の労働力調査では、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の5.1%で2ヶ月連続で悪化しました。また厚生労働省が同日に発表した4月の有効求人倍率は0.48倍で、前月を0.01ポイント下回り、8ヶ月ぶりの悪化となりました。新規求人倍率は0.88倍で、前月比で0.04ポイント改善しました。  完全失業者は季節調整前の原数値で356万人と、前年同月比では10万人増、18カ月連続の増加、前月比では6万人増で4カ月連続の増加でした。男女別では男性が217万人で前年同月比9万人増、前月比4万人減で、女性は139万人で前年同月比1万人増、前月比10万人増でした。就業者は6,269万人と前年同月比53万人の減少、前月比では59万人の増加となりました。  医療・福祉業界の就業者の推移を見ると、2010年4月は645万人で前年同月に比べ31万人増加しています。しかし月別では2010年3月から2ヶ月連続で減少しており、2008年後半以降の増勢にやや頭打ち感があります。この背景には次のような背景があるのはないかと推測されます。  全体的に給与が低いとされる介護業界は長い間人手不足に陥っていましたが、2008年秋のリーマン・ショック後は失業者の受け皿になりました。業界側も人材の補充を優先し、経験や資格をそれほど問わなかったと言われています。ところが2008年度末時点で約284万人だったホームヘルパー2級の有資格者が増えるにつれ、資格者が優先されるようになり、無資格者にとっては就職が困難になる傾向があります。さらに最近では「教育係」の職員を置くコストがかかるとの理由で、有資格者でも未経験者は採用しない事業者が増えているという事情があるようです。  ホームヘルパー2級は2〜3カ月の研修で取得できるということもあり、有資格者は今後さらに増える見通しで、未経験者の受け皿がどれだけ増えるかが懸念されています。また 男性が介護職に就くのは、女性より難しいという問題もあります。 今年3月の1年前と比べた就業者数の増加幅は、男性16万人に対し 女性は35万人。ハローワークでも「女性は4〜5件当たれば就職で きるが、男性は10〜15件は必要」との現状が認識されているよう です。男女とも女性による介護を希望する利用者が多く、女性限 定の求人は違法でも事業者は女性を希望するケースが多いようで す。リーマン・ショック後、政府はいくつかの就業支援策を打ち 出しでいますが、いずれも失業対策の側面が強く成長分野に絞っ て民間に事業委託し雇用を生み出す「重点分野雇用創造事業」 (09年度2次補正予算)などは2011年度までの時限措置です。今後 は着実に就業に結びつける仕組みが必要と考えられています。 (参考:東洋経済オンライン5月28日、総務省・厚生労働省HP)

◇キャリアパスモデルが公表されました◇
 
 厚生労働省は6月2日、介護職員処遇改善交付金の「キャリアパス要件」に関し、事業者団体などがまとめた7つの「キャリアパスモデル」を同省HPで公表しました。同交付金受給のためには、9月末までに介護職員の能力や経験に応じた処遇を行うキャリアパスの制度を定め(キャリアパスを賃金に反映することが難しい場合は資質向上のための具体的な取組を行うことで可とするなど小規模な事業所向けの配慮も行っています)、届出を行うことが条件となっています。モデルを策定したのは、日本在宅介護協会ほか7団体ですが、厚労省は「公表されたモデルはあくまで一例であり、交付金支給の要件として示しているものではない」としています。また同省は今後、他の団体から同様にキャリアパスモデルが提供されれば追加して公表する方針です。  会計事務所様にとっても顧問先様の人事制度構築や介護職員処遇改善交付金申請などの業務において参考にさると考えられますので、注視が必要と考えられます。     (参考:医療BCニュース6月7日、厚生労働省HP)

◇認知症グループホームの15%に建築基準法違反◇
 
◆ 国土交通省は6月7日、全国の認知症高齢者グループホーム9,952施設を対象とした建築基準法の適合状況に関する調査結果を発表しました。4月20日までに調査を終えた5,951施設のうち14.9%に当たる889施設で防火・避難関係の法令違反がありました。  調査は今年3月に7人が死亡した札幌市のグループホーム火災を受けて行われました。この火災では施設側が住宅を改装して開業する際、より防火・避難設備の基準が厳しい「寄宿舎」への用途変更を行っていなかったことが判明しています。結果によると違反が見つかったのは約11.2%にあたる1,114件で、うち建物完工後に検査を受けていなかったケースが578件で最も多く、用途変更の未届けは391件、建物損傷や腐食の状況について半年〜3年に1度行う定期報告の不備も332件ありました。  防火・避難関係規定に違反している施設に対しては、是正指導を行う方針で、具体的な対応については都道府県などに任されるとのことです。 (参考:医療CBニュース・日本経済新聞6月7日)