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◇参議院選挙での主な政党の福祉分野マニフェスト◇
 
 ◇7月11日の参議院選挙に向けて発表されている、民主党と自民党のマニフェスト(福祉分野)をピックアップしてお知らせいたします。児童分野では子ども手当の扱いについての違いが見られ、介護分野では両党とも給与引き上げについて言及しています。(参考:7月5日 福祉新聞)

介護
障害
児童
民主党 訪問看護などの推進で介護する家族を支援給与引き上げによる介護人材の確保 障害者自立支援法を廃止し、応能負担を基本とする障がい者の法律を制定 子ども手当を13,000円から上積み就学前の子どもの保育・教育の一体的提供を促進
自民党 介護報酬の大幅な引き上げ介護保険の公費負担増加介護従事者の処遇改善 改正障害者自立支援法案により応能負担による福祉サービスを推進 子ども手当の全面見直し子育て交付金の創設

◇子ども・子育て新システム検討会議「基本制度案要綱」を発表◇
 
◇新たな子育て支援制度を検討している「子ども・子育て新システム検討会議」は「基本制度案要綱」を取りまとめました。  この要綱は2013年度に法案を提出し、2015年度の施行を目指すとしています。新システムの基本方針として、@子ども・子育てを社会全体で支援する、A利用者本位を基本理念として、すべての子育て家庭に必要な良質なサービスを提供する、B地域主権を前提とした住民の多様なニーズに応えるサービスを実現する、C政府の推進体制を一元化する、ということを掲げています。  また新システムでは「保育に欠ける要件の撤廃」などにより、幼稚園・保育所・認定こども園を一体化し、幼児教育と保育を一体的に提供する「こども園(仮称)」を創設することとし、一方で家庭的保育などの小規模保育や早朝・夜間・休日保育、事業所内保育、病児・病後児保育なども給付対象にするとしています。  幼保一体化に際しては、幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合した新たな「子ども指針(仮称)」を策定するとともに幼稚園教諭と保育士資格の共通化を進めるとしています。また客観的な基準に基づいて保育の必要性を認定する仕組みや、利用者と事業者が直接契約する仕組み、多様な事業者の参入を促すために、サービス類型ごとの事業者指定の仕組みを導入するとしています。  このほか「子ども・子育て勘定(仮称)」を創設し、給付に必要な費用負担を国・地方自治体・事業主・個人によって、それぞれ国庫補助負担金や個人と事業主が拠出金という形で費用負担して財源を確保することや、新システムの一元化のための「子ども家庭省(仮称)」の創設についても検討されています。    (参考:7月5日号 福祉新聞 内閣府ホームページ)

◇障がい者の制度改革基本方針、閣議決定◇
 
◇障がい者に関する制度改革の基本方針が閣議決定されました。内容は制度改革の方向性と進め方に関することで、@障害者基本法の抜本改正により障害や差別の定義と基本的施策に関する規定を見直す、A障害者差別禁止法の制定により障がい者に対する差別を禁止して、被害を受けた場合の救済等を目的とした制度を構築する、B障害者総合福祉法を制定し、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする制度を構築する、ということを2013年度までに行うというものです。  個別分野では障害を持つ児童と健常児が共に教育を受けるシステムを構築することや、障がい者の所得保障の在り方について、公的年金の抜本見直しと併せて検討することを挙げています。今回の制度改革では「障がいの有無にかかわらず、相互に個性の差異と多様性を尊重し、人格を認め合う共生社会の実現」を基本的な考え方としており、障がい者を取り巻く環境が大きく変化しそうです。特に障がい者施設を顧問先にお持ちの事務所さまは、今後3年の制度改正の行方にご注目ください。                   (参考:障がい者制度改革推進本部ホームページ)

◇学童保育所設置数、過去最多の2万待機児童が潜在化◇
 
◇共働きやひとり親家庭の小学生を放課後に預かる学童保育の設置数が5月1日現在で過去最多の19,744カ所となったことが7月7日、全国学童保育連絡協議会の調査で分かりました。学童保育の施設は、前年比1,296カ所増で1年間の増加数は過去最高となりました。また利用児童数も過去最多の804,309人で、申し込みをして利用できなかった待機児童数は6,208人と、昨年より約3,000人減少していると報告されています。  この調査結果について同協議会は、自治体の中に費用負担を抑えるため利用者数を増やさないよう入所要件を厳しくする動きがあるということや、保育所のような定員制や入所申込みシステムが確立していないことから待機児童の把握が難しいという制度の問題点のほか、保育料の有料化による経済的な理由での退所についても指摘しています。  また都道府県別の小学校数に対する学童保育施設の設置数の割合は15都府県で100%を超えており、東京や埼玉、茨城のほか群馬や栃木など、設置数の多い都府県は関東圏に集中しています。また小学校と学童保育施設数の割合については、埼玉が最高の120.4%、最低は高知の49.1%で全国の平均が88.7%となりました。運営主体別の数では公立公営が最も多く、次いで私立幼稚園や保育所などの法人、そして地域運営委員会(学校長等が代表となって行政の委託により事業運営する形態)が多いとされています。 (参考:7月7日共同通信・全国学童保育連絡協議会報道資料)