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◇デイサービスの宿泊利用が23年度から介護保険適用◇
厚生労働省は23日、高齢者が日中に通う、介護保険の通所介護事業所(デイサービス)について、利用時間を延長して宿泊も可能にする方針を決定しました。介護と仕事との両立を目指し、預かり機能を強化することで、高齢者を自宅介護する家族の負担を軽減することを目的としています。実施時期は23年度以降とのことですが、具体的な時期は未定とのことです。 現行制度では、デイサービス利用は1日10時間未満とされており、10時間以上利用するとその超過分は自己負担となっていますが、この預かり時間を大幅に延長する方針で、宿泊についても一部の事業者が保険外の自費サービスを導入していますが、これを1割負担で利用できるよう介護保険を適用します。ただし、予算化の対象は宿泊に必要なベッドなどハード面に限り、人件費などは対象外です。介護保険には一時的に高齢者が施設に入所するサービスもありますが、緊急時に利用することが難しいことから通い慣れたデイサービスで受け入れ、サービスの向上を図ることとされました。この方針を受け、厚労省の23年度予算概算要求に約8,000床分の整備助成費として数十億円を盛り込むこととなりました。会員事務所様のお客様でデイサービスを実施している事業所様がございましたら情報提供していただけると良いかと思われます。 (参考:読売新聞8月23日号) ◇財務省、公務員の空宿舎を保育ママに提供◇ 財務省は自宅などで少人数の子どもを預かる「保育ママ」を支援するため、国家公務員宿舎の空き部屋を保育の仕事場として貸し出すことを決定しました。組織改編などで全国に約10,000戸ある空き部屋を割安な家賃で貸し出すことで保育ママを増やし、都心部を中心に増え続ける待機児童問題の改善につなげることを目的としています。 財務省は、出先機関の統廃合などで全国の公務員宿舎の約220,000戸のうち空き部屋が約10,000戸あることに着目し国有財産を有効活用する視点から、保育ママに使ってもらおうと、自治体を通じて6月末から「空室情報」の提供を始めました。出入りが容易な宿舎の1階を中心に、公務員が入居する場合と同一の家賃で貸し出す予定となっています。全国に46,000人と言われる待機児童の解消のため、保育ママが預かる子どもの人数を、21年度の2,600人から26年度までに19,000人に増やすことを目標としていますが、今回の財務省の支援によって目標達成ができるか注視が必要です。 (参考:朝日新聞8月26日号) ◇「介護従事者が不足している」と感じている事業所が減少◇ 財団法人介護労働安定センターが実施した「事業所における介護労働実態調査」及び「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果が公表され、その調査で介護従事者が不足していると回答した事業所が全体の半数以下となり、介護現場の人手不足が解消されつつあることが判明しました。この調査 は、全国の介護保険サービスを実施する事業所から抽出した16,860事業 所(約1/4の無作為抽出)を対象にアンケート調査を実施したものです。 今回の調査で介護サービスに従事する従業員の過不足状況を見ると全体 では「適当」が52.3%(前年度は36.5%)で「大いに不足」「不足」「や や不足」の合計が46.8% (前年度は63.0%)となり、前回の調査から大 きく減少しています。厚労省は、昨今の経済不況での失業者対策と福祉 業界の人材不足解消を図るために、緊急人材育成・就職支援基金を造成 し失業者の福祉業界への就職促進を図っています。 その他の調査結果の概要としては、離職率が前回の18.7%から17.0%に減少し、事業を運営する上での問題点として「今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」と挙げた事業所が前回調査の71.6%から、52.7%に減少していることから介護を取り巻く職場環境と従事者の賃金が改善方向に向かっていると考えられます。 また右の表にお示ししている「経営主体の構成比較」のように介護事業者全体における民間企業の割合は年々増加してきている状況も判明しました。(参考:21年度介護労働実態調査結果について (財)介護労働安定センター)
◇横浜市が独自に住宅内での保育事業を開始◇ 横浜市は新たな施策として、横浜市独自の「家庭的保育事業」を実施することとなりました。保育施設として一般の住宅やマンションなどを活用する予定で、NPO法人などの事業者が担い手となります。保育料は認可保育所に準じ、前年の世帯所得に応じて決定(月額0円〜57,200円)します。 1施設あたりの定員は9名で、対象となるのは同市市民で生後8週間以上3歳未満の児童または、認可保育所に入所申込みをしたが入所ができなかった児童です。事業化に当たって市は6月に委託事業者を募集、当初は3施設程度の開設を想定していましたが、予想を上回る19法人・22施設の応募があり、旭、港北、青葉、戸塚、泉の5区6施設での事業開始が決定しました。9月6日以降、各事業者が順次施設を開設します。 従来市では保育士などの資格を持つ人を家庭保育福祉員として認定し、個人の住居などで少人数保育を行ってきましたが、今回の新たな事業は家庭的な環境で保育の場を確保しながら、NPO法人などが持つ保育事業のノウハウや人材を活用し、待機児童解消の一助にする狙いです。22年4月1日時点の横浜市の待機児童は1,552人ですが、今回のこの事業で待機児童の解消がどの程度見込めるか注視が必要です。(参考:横浜市ホームページ、神奈川新聞8月21日号)
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