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◇居宅訪問や保育ママにも助成〜新システム案を政府提示〜◇
 
 ◆ 政府は6日、国の助成で利用者宅に保育士が訪問し子どもを預かる「居宅訪問型保育」制度を新設する案を、子ども・子育て新システム検討会議のワーキングチームに提示しました。保育士らが自宅で乳幼児を預かる「保育ママ」などを含めて「小規模保育サービス」と位置付け、2013年度の発足を目指すとしています。  政府は幼稚園と保育所を一体化した「こども園(仮称)」の13年度からの導入を目指す一方、「こども園」でカバーされない3歳未満児の保育ニーズに応えるため、多様なサービスの内容について検討していました。「居宅訪問型保育」はベビーシッターに相当するもので、助成対象は保育ママと同じく基本的に3歳未満とされる予定です。本園機能をもつ「こども園」と事務処理や食事提供等で連携した上で、賃貸住宅等で保育を行う定員20名以下のサービスを提供する「連携型」「サテライト型」や、放課後児童クラブや児童館を活用した「多機能型」も小規模保育として位置付けることとしています。また、病気の子どもを預かる病児保育所や、企業内保育所、短時間利用者向け保育、早朝・夜間・休日保育も助成対象となる予定です。  政府は13年度から「こども園」制度を導入して待機児童解消を目指していますが、施設整備に時間がかかる上に、僻地(へきち)では十分な施設確保が難しい問題もあるため、短期間に立ち上げ可能な保育ママなどの拡充で対応する方針のようです。           (参考:MSN産経ニュース12月6日、子ども・子育て新システムの基本制度案要綱)

◇民主党、ケアプラン有料化見送りへ◇
 
  ◆2012年度の介護保険制度改正をめぐり、民主党の厚生労働部門会議は8日、サービスを受ける際に必要なケアプラン作成の有料化を「行わない」と明記し、見送る提言をまとめました。前号で既報の通り、厚労省は社会保障審議会介護保険部会において、保険料の伸びを抑えるために利用者負担を増やすことを検討をしていましたが、民主党は来春の統一地方選挙に影響することへの懸念から負担増に慎重な対応を求めました。  政府はこの提言を踏まえて、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です。  また、提言書では高所得者の自己負担を1割から2割に引き上げることに対しても慎重に検討すべきだとの見解を盛り込んでいますが、社会保障の財源問題の解決への糸口が見えず、今後も難航が予想されます。                                      (参考:朝日新聞12月8日)  

◇「障害」から「障碍」へ 〜表記変更せず〜◇
 
  ◆「障害」の表記の在り方を検討していた障がい者制度改革推進会議は22日、法令で使う表記を新たに決定するような結論を出せなかったとして、当面は現状のまま「害」の字を使うことにし、今後、制度改革の集中期間内を目途に一定の結論を得ることとしました。この結果、今月中にも内閣告示される改定常用漢字表には、「碍」が含まれないことが確実となりました。  障害の表記を巡っては、「害」のイメージが悪いなどとして同会議が今年8月、専門の作業部会を設置して検討を開始、9月には内閣府が一般から意見募集を行っていましたが、「障害」と「障碍」がいずれも4割の支持を得るなど統一表記への一本化が難航していました。表記見直しは「今後の継続課題」とし、現行の「障害」のままとすることとしました。  改定常用漢字表の見直しを所管する文化庁は、同会議の結論次第では常用漢字表に「碍」を組み込むとしていました。(参考:福祉新聞11月29日、読売新聞11月23日)

◇認可外保育所に公費助成◇
 
  ◆政府の「特命待機児童ゼロ特命チーム」の第4回会合が11月29日に首相官邸で開かれ「国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消『先取り』プロジェクト」を取りまとめました。最低基準を満たす認可外保施設に公費助成して運営を支援することや、都市部で保育所を整備する際の土地借料補助を創設することなどが盛り込まれています。  特命チームは13年度からの導入を予定している「子ども・子育て新システム」のうち、保育所待機児童の解消策を検討しており、11年度から前倒しして実施する取り組みを「先取り」プロジェクトとしてまとめました。  プロジェクトでは、待機児童を解消できなかった要因を分析したうえ、具体的な施策として「多様で柔軟な保育サービスの確保」「場所の確保」「人材の確保」について、地方自治体が取り組めるようにすることを提案しました。概要を下記の表にまとめましたので、ご参照ください。

         
多様で柔軟な保育サービスの確保 ・家庭的保育の拡充
・最低基準を満たす認可外保育施設への公費助成を創設し運営を支援
国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクトの概要 場所の確保 ・土地借料補助を創設
・地方交付税交付団体に対する保育所設備や家庭的保育の賃借料・改修費などの補助率を2分の1から3分の2に引き上げ
・学校など既存の公共施設の余裕スペースを活用して保育所分園の設備や家庭的保育の量的拡充を図る
・認可保育所の屋外階段設置基準を緩和し既存ビルの空きスペースを活用できるようにする
人材の確保 ・「短時間勤務保育士」の活用
・保育所で働いていない保育士資格保有者の再就職を促す研修プログラムの開発・実施

 プロジェクトは、11年度に待機児童ゼロに先進的に取り組む自治体をモデル指定して実施、12年度に待機児童のいるすべての自治体で実施、13年度以降は全ての自治体で実施することとしました。また実施に際して、11年度に200億円、12年度に500億円を予算計上することを求めました。  求めた予算については、現状では厳しい状況にあり、今後提案されたことがどのように盛り込まれていくのか動向を見守る必要があります。(参考:首相官邸HP、福祉新聞12月6日)