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◇介護職員の平均給与月額、1万5,000円アップ◇
◆ 厚労省は20日、「平成22年介護従事者処遇状況等調査」を公表しました。今回の調査は、昨年10月に始まった介護職員処遇改善交付金が実際の処遇改善にどの程度反映されているかを検証するため、8,256事業所を対象に実施し、6,301事業所から回答を得たもので、調査対象は昨年6月と今年6月の両時期に在籍していた従事者としています。 今年申請した事業所の介護職員の平均給与額は月額25万6,680円で、昨年の24万1,520円に比べて1万5,160円増加しています。(表参照) 賃金改善の方法では、今後の実施予定も含め「定期昇給を実施」が62.7%で最も多く「各種手当の引上げまたは新設」が44.6%、「賞与等の支給金額の引上げまたは新設」が21.8%、「給与表を改定して賃金水準を引上げた」が15.1%と続いています。定期昇給の実施割合は、特養や老健など施設系で8割近くに上った一方、訪問介護事業所では半数に満たないという結果でした。 平成22年に交付金を申請している事業所は全体で86.7%、介護療養型医療施設は申請している事業所が51.6%と施設毎の状況の違いも浮き彫りとなりました。 【表】《介護従事者の職種平均給与月額》
(参考:12月20日医療CBニュース) ◇安心こども基金が1,000億円積み増し、期限も23年度まで延長へ◇ ◆政府が閣議決定した平成22年度補正予算案の中で、安心子ども基金について厚労省分と文科省分を合わせて1,000億円を積み増しし、事業実施期間も23年度まで延長となりました。厚労省分は968億円で、待機児童解消を目指す「子ども・子育てビジョン」の目標達成に必要な保育所の整備事業を行うほか、すべての家庭を対象とした地域子育て支援の充実のための創意工夫による地域の子育て力を育む取組みや体制整備、児童虐待防止対策の強化としての子どもの安全確認の強化のための児童相談所や市町村の補助職員の雇い上げ、広報啓発及び児童相談所や市町村の職員資質の向上などの実施などが具体的な内容として示されました。 また文科省分は32億円で、保育サービス等の基盤の整備として幼保連携型への移行を促進するために必要な整備費を補助し、認定こども園の設置促進を実施することとしています。 保育所の整備事業については、平成23年度中に工事に着手し平成24年度に工事が完了する見込みの施設についても対象となるため、今後、新たに保育所の施設整備を検討している法人などにとっては朗報と言えそうです。 (参考:遊育11月8日号、文部科学省平成22年度補正予算の概要、厚生労働省平成22年度補正予算の概要) ◇社会保障審議会介護保険部会が開催〜 高所得者の利用料自己負担増額へ 〜◇ ◆平成23年度の介護保険制度改正に向けた社会保障審議会介護保険部会が、11月19日に開催されました。 この中で現在の介護保険制度の給付と負担のバランスについての課題に触れ、現在65歳以上の高齢者が納付する介護保険料は全国平均で月額4,160円となっており、現状のサービスを維持すれば23年度に5,200円程度まで上昇するという試算を公表した上で、保険料が5,000円を超えてしまうことは制度への信頼の上で望ましくないとの見解を示しました。 厚労省は上記の見解を示した上で、介護保険料の上昇を抑制するための方策として、65歳以上の約15%を占めている、年金のみの年収が320万円以上の高齢者については自己負担を2割とすることを検討すべきとしているほか、ケアプラン作成についても自己負担を求めることも検討しています。このほかにも介護保険の被保険者範囲の拡大や公費負担割合の引き上げについても検討すべき議題として挙げられており、負担のあり方などが大きく変わる可能性もあります。今後もこの内容の動向に注目していく必要がありそうです。 (参考:朝日新聞11月20日号、第36回社会保障審議会介護保険部会資料) ◇全国知事会が構造改革特区創設を国へ提案◇ ◆全国知事会は国に対し、構造改革特区の創設についての提案を提出しました。その提案の中で福祉関係の主な項目について概略をお示しします。 ・保育所の人員・設備・運営基準を「参酌すべき基準」 として、同基準を定める権限、施設の設置認可・指導 監督権限を市町村に移譲する。 ・私立保育所の3歳未満児への給食への外部搬入を認める。 ・家庭的保育事業における面積基準・保育者配置基準を 「参酌すべき基準」として、同基準を定める権限、施 設の設置認可・指導監督権限を市町村に移譲する。 ・指定障害者福祉サービス事業の設備・運営基準を「参 酌すべき基準」にし、社会福祉法人に限定されている 就労継続支援B型の実施主体をNPO法人等へ拡大する。 ・看護資格を持つ訪問介護サービス提供者に、居宅医療 ケアサービス(痰吸引など)の提供を認める。 この知事会の提案が認められれば、今後はこの特区申請をして認められた市町村は上記の内容が適用となりますが、今後もさまざまなアイデアが特区として申請されていく可能性があると言えます。各地域における特徴的な取り組みがさらに進んでいくものと考えられます。 (福祉新聞11月22日号、全国知事会HP)
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