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◇「こども園」最終案発表されるも、法案提出遅れ開始予定遅れる可能性◇
 
 ◆政府は24日、13年度から導入を検討している幼稚園と保育所の一体化「こども園」に向けた最終案を子ども・子育て新システム検討会議で発表しました。しかし「子ども・子育て新システム」の関連法案について当初3月としていた閣議決定、国会提出の時期を6月に先送りする方針を固めました。現在の国会運営から、今国会で審議が進むことは困難となることが想定され、予定の13年度からの制度開始が遅れる可能性があります。  発表された幼保一体化の最終案は、幼・保双方の機能を持つ「こども園」を創設する一方、既存の保育所は0〜2歳児の専用施設に衣替えし、幼稚園は現状のまま維持するとしています。こども園については幼児教育を施す幼稚園と子どもを預かる保育所の双方の機能を持つ施設と定義付けています。また、これまでも指摘されてきた縦割り行政、文部科学省・厚生労働省の弊害を解消するために認可権限を1つの行政庁(地方公共団体)に集約します。これにより3歳以上が中心の幼稚園がこども園に衣替えし、保育所機能を付加することで0〜2歳児保育の場を増やし、待機児童問題に対応したい考えです。
 今後、政府はこども園の割合を増やすため、幼稚園や保育所からこども園への移行にかかる費用を助成します。当初、10年後を目処に幼稚園と保育所を廃止し、こども園に一本化する案を示していましたが、幼稚園関係者の強い反発を受け、最終案では移行期間は設けていません。  最終案では補助金や契約方法について統一するとしています。幼稚園に対する私学助成、保育所への保育所運営費は「幼保一体給付」を創設し一本化します。契約については原則、幼稚園のように各施設に直接申し込む「直接契約」とします。ただし、待機児童や虐待などの受け入れ優先順位の判断が必要になる場合は市町村が調整します。その他、利用者の費用負担も盛り込まれています。現在、保育所は所得に応じた公定価格に対して幼稚園は自由価格ですが、こども園は公定価格を設け、必要に応じて上乗せ徴収も認めます。徴収額の上限は設けていませんが、施設に説明責任等を義務付ける方針です。
 さきのように当初、政府は幼稚園と保育所を「こども園」に一体化するとしていましたが、保育所、幼稚園、こども園の3種類の施設を併存することしました。しかし、一足早く06年10月に導入された幼保一体型施設「認定こども園」は、目標数12年度末までに2,000カ所以上としていますが、現在、約530カ所と計画と大きな乖離が出ているのが現状です。こども園についてもどの程度移行が進むかは不透明なうえ、積み残した問題、7兆円近い必要財源を国と地方自治体、事業主でどのように負担するかも決まっていません。
          (出典:朝日新聞1月26日)

◇新サービス未移行の事業所今後「給付費支給の根拠なくなる」◇
 
  ◆厚労省は21日、既に新しいサービス体系に移行している障害福祉事業所(旧体系サービス名称・以下同様)が、昨年10月時点で全国平均56.5%にとどまっていることを発表しました。障害者自立支援法の施行により、平成24年3月までに新体系サービスへの移行が完了しない場合、障害者自立支援給付費を支給する根拠がなくなることから、未移行の事業所に対して早急な対応を求めています。障害福祉事業所は、来年3月の経過措置期間中までに同法で定めた新体系サービスへ移行しなければ、介護給付費や自立支援医療費を含む障害者自立支援給付費を支給する根拠を失うことになります。新体系では身体、知的、精神障害者の制度格差の解消や日中支援と居住支援を分離することによる複数サービスの組み合わせを可能とし、障害者が多様なライフスタイルを選択できること等を目的としたものです。
 新体系サービスでは、各種加算や手厚いサービスの提供に応じた報酬額の設定がなされていることから、事業者の収入増が図られ、合わせて移行後の保障として、想定より利用者数等が確保できず収入が減少した場合には移行前との報酬差額分を助成する、といった従前額保障を実施しています。
 会計基準の適用時期と併せ、特に就労支援事業に移行する施設ではできるだけ早い時期に検討をしておくことが求められると考えられます。(出典:CBニュース1月21日)

◇介護福祉士試験、研修義務3年延期へ◇
 
  ◆厚労省は20日、介護福祉士試験について実務経験者が受験する場合、新たに研修の受講を要件とする法律施行について、当初予定していた平成23年度から3年延期して平成26年度とすることを決めました。07年の法改正により介護現場で3年以上働く実務経験者に対して、試験前に養成施設などで600時間の研修を受けることの義務付けを想定していましたが、介護現場から「研修は負担が大きい」との声を強く受けたためです。
 研修時間に関しても「人手不足で難しい」「時間が長すぎる」等の指摘が事業者や受験予定者から上がったため、研修時間を450時間に短縮したほか、働きながらでも研修を受講できる環境整備を進めます。国は介護職員のうち介護福祉士の割合について5割以上を目安とし、利用者への高いサービス提供と介護人材確保の両立を目指しています。
   また今後の介護職員の人材養成の在り方として、資格取得者が更にステップアップできるよう「認定介護福祉士」の創設が検討されています。今後、日本介護福祉士会を中心に認定基準や方法、導入時期などを決めていく予定です。これまで資格取得後のキャリアパスに十分な仕組みがありませんでしたが、能力を適切に評価することで意欲を高め、待遇改善につなげるのが狙いです。「認定介護福祉士」は質の高い介護サービスを提供し、職場の介護職員を指導したりする能力を持つ介護福祉士を認定対象としています。(出典:読売新聞 1月21日)