|||||||||| T O P I C S ||||||||||
 
◇保育所運営費及び介護報酬から災害義援金の支出が可能に◇
 
 ◆厚労省雇用均等・児童家庭局と老健局はそれぞれ4月7日と28日に、保育所運営費及び介護報酬から災害義援金を支出することが可能、という内容の事務連絡を発出しました。保育所運営費については既に発出済みの「東日本大震災に係わる運営費の扱いに関するQ&A」に、義援金支出の扱いに関するQ&Aを新たに追加して示しています。
 保育所運営費からの義援金については、全国私立保育園連盟、全国保育協議会、日本保育協会等のホームページによれば、保育所ごとの協議を不要とした例や保育所あたり定員数×2,000円および預金利息を運営費から支出できることとした自治体の例もあるようです。ただしその際の会計処理については特に示されていません。
保育所運営費から被災地に対する災害義援金を支払うことは可能か。(雇用均等・児童家庭局) 通常は運営費から災害義援金を支払うことは、弾力的な運用の範囲外であると解される。しかしながら保育所運営費から特例的に「保育所運営費の経理等について」等の通知に規定する使途範囲以外の支出に抵触しない取扱いとする。
  災害義援金の支出に当たっては、法人運営に支障を来さず、理事長の専決規定の範囲内、若しくは、理事会・評議員会の承認を得て所轄庁に協議を行った上で支出することとする。なお、今般の災害義援金は保育所運営費が原資であることに鑑み被災地の児童福祉事業やその他の社会福祉事業の復興等に充てることが可能となるよう適切な相手先を通じて寄付することが望ましい。
東日本大震災に対し社会福祉法人が義援金を支出することの特例について(老健局) 社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護施設の介護報酬は、「特別養護老人ホームにおける繰越金等の取扱い等について」において資金の運用が取扱われているところです。しかし、この度の東日本大震災は被害が極めて甚大であることに鑑み、東日本大震災に係わる義援金の支出は特例的に次の要件を満たすことを条件に支出を可能とします。@当該法人の運用に支障を及ぼすような金額ではないこと。A当該法人と特殊な関係が疑われるような団体等へ寄附するものでないこと。B法人内部の意思決定プロセスに違反するものでないか、定款に違反するものでないかの確認等を行うこと。
    

◇障害者施策の関連情報◇
 
  ◆去る4月22日、4月18日に開催された障がい者制度改革推進会議において検討・協議された法案の内容を踏まえ、障害者基本法の改正案が国会に提出されました。
 改正案では「全ての国民が障害の有無にかかわらず等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものである」とする理念のほか障害者の定義の見直しなど、障がい者制度改革推進会議内において検討された項目を盛り込んでいます。また障害者権利条約の批准を目指し、新たに「(前略)社会の実現は、そのための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際的協調の下に図らなければならない。」という条文を加えています。今回の会議では、障害者基本法の改正案について、出席委員から「障害のある女性」についての施策を明記することを求めるほか、障害者の職業斡旋のみならず就職後のフォローアップを行うことや障害者の就職機会拡大のための施策を講ずることなど総合的な支援を行うことを明記するよう提案がありました。
 今後、この法案提出を皮切りに2012年に障害者総合福祉法案(仮称)、翌13年に障害者差別禁止法案(仮称)の提出と続き障害者権利条約の批准を目指す予定です。
(参考:福祉新聞5月2日号、内閣府・障がい者制度改革推進会議HP)

◇第一次補正予算が参議院本会議で可決◇
 
  ◆政府が閣議決定した2011年度第一次補正予算が参議院本会議で可決しました。この補正予算は東日本大震災の復旧対策を中心としたもので、被災した社会福祉施設の施設整備に対する国庫補助率の引き上げのための予算が計上されています。
 また被災した施設への貸付融資率の引き上げや一定期間無利子とするための、福祉医療機構への資金出資などについても予算が計上されています。

2011年度 第一次補正予算のうち福祉関連予算項目
項目 予算額
被災した被保険者の介護保険料減免 275億円
被災した障害者のサービス利用負担減免 2.1億円
被災した福祉施設の施設整備補助率引き上げ
介護施設等
障害者支援施設等 815億円
児童福祉施設等
福祉医療機構が災害復旧支援として福祉貸付利率を一定期間無利子とすることや融資率を100%とする優遇を行うために必要な資金の融資 100億円
各施設の国庫補助率引き上げ概要
施設 引き上げ率
認知症高齢者グループホーム、障害者支援施設、児童相談所など 1/2→2/3
介護老人保健施設、児童厚生施設など 1/3→1/2
    

なお、今回の補助率引き上げ対象となっていない児童養護施設や保育所などは「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づき財政援助が行われます。