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◇(独)福祉医療機構が経営支援事業を拡大〜保育所の経営診断に着手〜◇
◆独立行政法人福祉医療機構は従来より特別養護老人ホーム等に対して行っていた経営支援事業を拡大し、本年4月1日より認可保育所の経営診断を開始しました。(独)福祉医療機構は融資先各施設の経営状況についての調査を行う ことでデータを収集し、「機能性」「費用の適正性」「生産性」「安定性」「収益性」の5つの視点から独自の経営 分析指標を用いて分析しています。これらのデータ分析 結果をもとに行う経営診断は、「簡易経営診断」のほか 「経営分析診断」「実地調査を伴う経営診断」のメニューが 用意され、本年4月1日には新たに保育所も対象施設に加 えられました。(独) 福祉医療機構はこういった経営診断 を、昨年度には374施設行っており、実施した施設の94% から「満足」の回答を得たとしています。 また前号で既報の通り東京都福祉保健局は「社会福祉 法人の経営適正化に向けて」を公表しているところであ り、同局が重要視している「社会福祉法人の課題の早期 発見・早期改善」への取り組みと(独)福祉医療機構の経 営支援事業とは、社会福祉法人の安定的な経営を援助す るための指標の活用といった共通の視点を持っているた め、今後他の道府県における指導監査の視点への影響に も注目していくことが必要です。 経営支援事業の詳細につきましては、(独)福祉医療機 構のHPをご覧ください。なお毎年(独)福祉医療機構経 営支援室から「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム (ケアハウス)」「病院」「介護老人保健施設」の4種類 の施設の経営分析参考指標冊子が販売されていますが、「保育所」の経営分析参考指標については取りまとめを行ったものの、販売するかどうかについては未定で、販売が決定し次第、HP等で発表される予定とのことです。 (参考:(独)福祉医療機構HP)
◇幼稚園の経営状態はどうなのか・・・?◇ <平成22年度 私立幼稚園経営実態調査報告書> 幼稚園では保育所に先だって、いち早く経営分析に着手しています。全国私立幼稚園連合会は、平成21年度から22年度の経営実態調査報告書を取りまとめました。この中では園児数や教職員、入学金や納付金に関するデータも公表されており、4年連続での園児数の減少傾向や、教職員の報酬額の減少傾向などについても紹介されています。財務に関する内容では、負債総額の減少とともに流動資産・固定資産の減少が大きいとされ、同時に基本金や収支差額の減少傾向についても紹介されています。 これから新たな制度に移行する可能性が高まると同時に、これらの点についての議論も高まっていくものと想像されます。 (参考:遊育5月9日号) ◇介護報酬地域区分、7区分へ見直し◇ ◆厚労省は、4月27日の社会保障審議会介護給付費分科会(以下「分科会」という)に介護報酬の地域区分を、5区分から7区分に変更する見直し案を提示しました。 「現行の地域割を踏襲すること」「国家公務員の地域手当に準拠すること」等4点を介護報酬の地域区分の見直しをめぐる論点の前提として2012年の介護報酬改定に向けた審議が行われていますが、震災復興の影響から内容が変更されていくことが予想されるため、今後の動向を注視していく必要があります。 (参考:キャリアブレイン4月27日号) ◇日本興亜損保、保育所運営事業に参入◇ ◆日本興亜損害保険鰍ヘ5,000万円の基金を拠出し、一般財団法人「日本興亜スマイルキッズ」(東京都文京区、伊藤和之理事長)を設立、同法人を運営主体とした認可保育所を本年6月から開始することになりました。同保育所は当初定員40名でスタートし、平成25年までに60名に拡大する予定です。日本興亜損害保険鰍ヘ社会貢献活動の一環として、1991年に日本興亜福祉財団を設立して認知症高齢者を介護する家族の支援や介護福祉士を目指す学生への奨学金支給などに取り組んでおり、今回は待機児童の解消に取り組むことによって信頼性や認知度を高め、損害保険事業の経営基盤の強化につなげることを目的としています。 内閣府から公表されている「社会福祉意識に関する世論調査(平成23年1月調査 )」の「3.今後の公共サービスのあり方」の項目においても、国民の68.8%が「公共サービスの企業参入」に対して肯定的な意見を持っており、このようなことからも社会福祉事業における民間企業等の参入は促進される傾向にあると言えそうです。
参考:内閣府HP、日刊工業新聞5月3日号)
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